2024年11月24日( 日 )

【福岡IR特別連載107】麻生副総裁が台湾有事に備え、我が国の"平和ボケ"に喝!

記事を保存する

保存した記事はマイページからいつでも閲覧いただけます。

印刷
お問い合わせ

 先月末、NHKを含めた各社の報道によると、麻生太郎自民党副総裁が自身の派閥研究会において、「中国が台湾への圧力を強める中、台湾有事が起きた場合は日本も確実に巻き込まれる」として、日米安全保障の抑止力をさらに整備する必要があると訴えている。

佐世保港 イメージ 言うまでもなく、佐世保市には我が国にとって極めて重要な米国海軍・海上自衛隊・海上保安庁の基地があり、日米安全保障上の西の護りの要となっている。従って、習近平共産党政権に近い中国企業PAGによる「ハウステンボス買収」を許すことなどを含む今後の“長崎IR”を、国が承認することなど絶対にない。

 一方、麻生副総裁の実弟でもある九州経済連合会名誉会長の麻生泰氏(九州IR推進協議会名誉会長)も、昨年4月「九州から日本を動かす気概をもって...地方創生モデルを形成し、この国の再興と新たな成長を目指す」として、当時の九州IR推進協議会発足時に挨拶をしている。中国・習近平政権の息のかかった企業をこの地に誘致するようなことは、だから絶対あり得ない。

 ところが、先月26日に「第三回IR九州ビジネスセミナー」をウェブ上で開催、出席者は初代会長麻生泰氏を継承した、現在の九州経済連合会会長倉富純男氏(元西日本鉄道)、長崎IRの事業主体と称する九州リゾーツジャパン大屋高志氏、ならびに長崎県知事大石賢吾氏の3人である。この時点では、大石知事は「HISハウステンボス売却」の件は知らされていないし、多少の噂話を聞いた程度で、その内実を知ってもいなかった。おそらく、他の2人も同様であったろう。HIS澤田氏の賢い極秘戦略だったのだ。ちなみに、メディア各社の報道は8月31日。結果として、彼らは「片棒を担いだ」と言われかねない。誠にお粗末な話である。

 麻生前会長から九州経済連合会・九州IR推進協議会を引き続いだ倉富純男会長(西日本鉄道会長)は、今回の「中国企業のハウステンボス買収」問題に今後どう対処するのだろうか。出身の西鉄、そして九州電力、JR九州、西部ガス、九電工などの九州経済連合会および福岡財界七社会のメンバーのうち5社がハウステンボス株主であり、今回、この5社はすべての持ち株をHTBに譲渡売却する。

 つまり、同園との正式なつながりを放棄し、まったく関係がなくなることを彼らは選択しているのだ。なのに、この結果を踏まえた九州IR推進協議会会長としての発言はいまだ一切ない。

「九州IR推進協は、HTBの中国企業買収後にどう対応する?」

 こうした状況下、「ハウステンボス売却転売」を決めたHISと PAGの契約完了日が今月末と報じられている。九州IR推進協議会はいつまで“ダンマリ”を決めて、コメントを差し控えるつもりなのだろうか。近い内、同組織は何らかの決断を迫られることとなるだろう。

 いつまでも黙ってやり過ごすことはできない。なぜなら、本件に関しては、長崎IRの管轄行政責任者・長崎県知事と、その事業母体と称する九州リゾーツ代表者との会談が、ウェブ上で実施されたばかりだからだ。世間一般では、「HISの澤田は売国奴...」などSNS上で“炎上寸前”になっている。当然、契約完了時点では、より過激なネット書き込みとなり、各マスコミからの取材攻勢も激しくなるだろう。

 このような環境で、九州IR推進協議会ならびに九州経済連合会会長として、倉富氏が「ハウステンボス所有者が中国企業に代わっても...長崎IRには一切影響しない」と、大石知事や朝長佐世保市長と同様のことを公に発言するかどうか。常識的に見て、それはないものと考えたい。

 なぜなら、当地福岡が麻生副総裁の地元であり、実弟の麻生名誉会長から継承した組織の現責任者が、日米安全保障、日米経済安全保障、重要土地利用規制法等の観点と現在の政治的背景から、彼ら長崎IR関係者と同じ判断を下す筈など絶対に考えられないからである。当然の話ではないか。

 さて、本紙でこれまでも具体的に解説してきたが、当地福岡IRは、約5年も前から熱い情熱の若い経営者たちによる民間企業組織によって、本件IR誘致開発事業に関する事前のすべての準備作業をしてきており、それもほぼ完了した。今年3月にホテルオークラで実施された米国ラスベガスの老舗「Bally's」による記者会見は、その最終段階での積極的な福岡進出を公に表明したものだ。

 当然、今回の区域認定申請の一次締切日(今年4月末)には、最初からこのプランは折り込み済みであった。また、彼らは福岡政財界の各組織には、事前に、この件を正式な形で通知している。なお、上記の記者会見の模様などはYouTubeにアップされ、誰でも観ることができる。国際規格のアイスアリーナやリトルリーグの野球場等の併設提供など、IR事業だからこそ可能な事業であり、実に優れた内容だ。問題だらけの長崎IRとは比較にならない。

 「ハウステンボスパッケージ」のIRは最初から基本的に難しいプランである。重ねて言うが、所詮「後背地人口の少ない地方の都市」では、彼らの行政能力も含めて、極めて実現困難なのである。これを簡単に言うと、福岡IRの集客計画数の約1・5倍も長崎IRに客が来るなどという計画を作成すること自体、「絵に描いた餅」であり、まったくあり得ない数値なのである。

 もう、いい加減に彼ら組織人は何かに忖度するのを止めにすべきだ。ここまで準備してきた前途有望な若者たちにもっと敬意を表し、前麻生泰会長が言っていた「九州、福岡から日本を動かす気概...」を老若の関係者全員が共有し、本件IRについては、十分な市場性を有する“福岡IR”を一致団結して実施すべき段階にきていることを自覚すべきである。国際金融都市を目指すTEAM FUKUOKAの実現にとって、これが最高の付加価値となることは間違いない!

【青木 義彦】

(106)
(108)

関連キーワード

関連記事