2024年11月22日( 金 )

九州八重洲の国境を越えた地域貢献~小学校校舎を2棟寄贈

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フィリピン共和国市場で存在感を発揮

 西部ガスグループの1社として、福岡を中心に年間50棟限定で戸建住宅を供給する九州八重洲(株)。同社は海外でも住まいの提供を続けており、フィリピン市場を舞台にすでに数百戸規模のプロジェクトを複数件成功させている。

 フィリピン市場でも相応の知名度を得て、現地で住まいを求める人たちから厚い信頼を寄せられるようになった同社。着実に市場開拓が進むなか、同社はフィリピン・カンデラリアにプロジェクトの一環として小学校校舎を2棟寄贈。また、カガヤン・デ・オロ(フィリピン・ミンダナオ島の北部の港湾都市)の小学校にはウェルカムゲートを寄贈したほか、通学路の舗装も行った。こうした地域貢献を通じて、現地の人たちとともに、より良いまちづくりに取り組もうとする姿勢が、フィリピン市場に参入した他社との差別化につながっている。

左:寄贈式の様子、左から3番目が中島代表/右:寄贈された小学校校舎
左:寄贈式の様子、左から3番目が中島代表
右:寄贈された小学校校舎
左:寄贈されたウェルカムゲート/右:きれいに舗装された通学路
左:寄贈されたウェルカムゲート
右:きれいに舗装された通学路

 福岡からフィリピンの首都マニラまでは、飛行機で片道約3時間と足を運びやすい距離にある。同社の代表取締役社長・中島久雄氏(以下、中島代表)も定期的に現地入りしており、最新の政治・経済動向や、新プロジェクトの打ち合わせなどを行っている。

 「商慣習の変化や、移動手段を含めた地理の状況、現地スタッフとの打ち合わせなど、やはり現地に入り自分で体感しなければ分からないことは多いです。たとえばマニラ首都圏と南北の郊外エリアを結ぶ通勤鉄道の延伸工事が昨年ついに着工しました。全線開通すれば、移動時間は大幅に短縮されることになり、沿線では新たな商圏の誕生が見込まれます。1家族平均4人の子どもがおり、2028年には人口が日本を超えると言われていることからも、住まいを求める人は今後も増えていくことが予想されます」(中島代表)。

 中島代表は、常務取締役・竹本弘樹氏とともに、2014年頃から〝次の一手〟を考えるなかで、東京か海外、どちらかの市場に挑戦することを決意。住宅業界の動向を考察し、さまざまなご縁を得るなかで、最終的にはフィリピン市場への進出を決断した。そして、このときの決断とこれまでの地道な努力が実を結び、現在、同社の海外不動産事業は約10億円規模にまで成長。収益基盤として存在感を発揮している。

交流促進で刺激し合える組織へ

 将来性に期待がもてるフィリピン市場において、すでに多くの住宅供給実績がある同社。フィリピンの現地スタッフは6名で、CADを使用した設計業務などを行っている。研修で定期的に日本にも来ており、仕事ぶりは非常に優秀だという。

 「女性社員が中心となっており、その処理能力の高さには驚かされます。彼女たちの仕事ぶりは、日本の社員にも良い刺激になるのではないでしょうか。今年12月には、日本の社員にもフィリピンへ現地視察に行ってもらう予定です。当社の海外不動産事業への理解を深めるきっかけにしてもらえればと思っています」(中島代表)。

 フィリピンでは、コンクリートブロック造の2階建てで、サイズは日本でいうところの3LDKの住宅が多い。1階・2階それぞれにバス・トイレが求められるが、1年を通して気温・湿度の高い熱帯性気候のため、シャワーは冷水が出れば十分で、給湯器への需要はそこまで高くないという。こうした住まいに求められるものの違いだけを見ても、フィリピンと日本、双方の社員の交流促進は、同社の地域特性を生かした家づくりに、これまでにない特徴付けをもたらすはずだ。

 「自分たちのやるべきことを1つ1つ実現していくことで、九州八重洲を永続企業として次世代に繋いでいくことが、私のはたすべき役割だと考えています。海外展開を含め、ここ数年のうちにさらに事業基盤を強化し、次世代のリーダー育成にも取り組んでいきたいと思います」(中島代表)。

 1棟1棟お客様と膝を突き合わせて意見を出し合い、より良い住まいをお客様とともにつくり上げていく。この基本姿勢はそのままに、海外での経験と次世代への眼差しが、今後九州八重洲の住まいづくりに、どのような進化をもたらすのか、その動向が注目される。

【代 源太朗】

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