2024年12月04日( 水 )

中国人観光客30万人超を満足させろ!(前)

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海洋観光(株) 代表取締役社長 蔡 赫 氏

 日本を訪れる中国人観光客数は、他国からの観光客数を突き放し、ダントツの1位となっている。そして、そこには当然、新たな商機が転がっている。訪日中国人観光客のニーズを的確に捉えて勢いに乗る、海洋観光(株)の代表取締役社長の蔡赫氏に、話を聞いた。

(聞き手:弊社代表・児玉 直)

天井知らずの勢い

 ――福岡・博多港に寄港するクルーズ船の数は、年々増加の一途をたどっております。

 蔡 おかげさまで業績は順調に伸びておりますが、バスがとても足りていません。今一番の問題が、このバス不足です。観光客の方は、個人ではなく団体で来られる方が多いので、大型観光バスを一度の寄港で複数台確保する必要があるのです。それも毎回です。福岡に本社を構え、長崎、沖縄でも営業展開させていただいておりますが、状況はどこも同じです。旅行業・観光業において、日本に訪れる中国人観光客の取り込みは至上命令。しかし、予想を遥かに上回る客足に、対応が追い付けていないのが現状なのです。

 ――寄港するクルーズ船の数だけでなく、実際に来福される中国人観光客の数も多いというわけですね。

 蔡 観光に来られる中国人旅行者の数と、現在こちらで提供できることとの間に、大きな開きができてしまうほどの多さです。事実、日本に訪れる中国人観光客の数は年間300万人を超えていますし、福岡だけで見ても、博多湾に入港するクルーズ船1隻当たり平均3,000人が乗船していると言われております。大型連休ともなれば福岡だけでも28隻以上、長崎で20隻以上が入港してくるといいますから、軽く見積もっても合計20万人近い中国人が九州を訪れていることになります。それも弊社が担当するクルーズ船だけです。通常ツアー(飛行機)も合わせれば、30万人を優に超えるでしょう。

 ――厳しい対応を迫られるなか、それでも御社のサービスを求める中国人観光客は後を断ちません。

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海洋観光(株) 代表取締役社長 蔡 赫 氏

 蔡 弊社の車両手配に始まり、食事の用意、日本での滞在期間中不自由がないようにと通訳・ガイドまで準備する訪日中国人観光客向けの細やかなサービスは、大変喜ばれています。無駄なく目的地に到着でき、目的の物を購入し、目的のサービスを享受できるというのは、見知らぬ土地において何よりもありがたいことですから。彼らは、帰国すれば家族・友人・知人に、口コミで弊社の高レベルなサービスを伝えてくれます。その結果、弊社へのリピーター・新規顧客は増加し、さらに対応が追いつかなくなるわけです。嬉しい悲鳴ではありますが、今後ますます発展していくためには先手を打って動いていかなければなりません。

 ――シーズンでいうと、いつ頃が来福のピークとなるのでしょうか。

 蔡 旧正月、5月の連休はもちろんですが、直近では6月になると、一気に来日する方が増えます。上海を始め、天津、廈門からも船が出るようになるからです。6月になれば『端午節(6/20~22)』の3連休が始まります。そのため、訪日中国人観光客が現地で移動する際の足となるバスや、宿泊場所となるホテルの確保に、現在注力しています。しかし旅行業、観光業だけでは限界がありますので、他業種とも連携を行い、できるだけ早く受け入れ態勢を整えていきたいです。

 ――御社の存在は、すでに日本国内でも注目されています。連携はスムーズにいくのではないでしょうか。

 蔡 昨年末(2014年12月19日)に、福岡市中央区のセントラルホテルフクオカで開催しました、(株)北九州予約センターさんとの共同会議および忘年会には、観光業界・観光バス業界・ホテル業界の関係者約40名が一堂に会しました。福岡観光バス(株)代表取締役の梶原和浩氏や、太宰府随一の収容人員(500名)を誇るお食事処「照星館」代表取締役の加納義之氏も足を運んで下さいました。何とかこの貴重なつながりを活かして、急務である他業種との連携、そこから生まれる観光環境のさらなる快適化を実現させていきたいと考えております。

(つづく)
【文・構成:代 源太朗】

<COMPANY INFORMATION>
代 表:蔡 赫
所在地:福岡市博多区奈良屋町14-20
設 立:2013年2月27日
資本金:600万円
TEL:092-292-0908
FAX:092-292-0909

 
(後)

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