中尾県議、北九州市長選不出馬~津森氏一本化の経緯
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来年2月に実施される北九州市長選挙への立候補を表明していた中尾正幸県議が、立候補を断念することを明らかにした。中尾氏は、先月31日「自民党は分裂になるが、それでも私は出たい。県連は必ず私を推薦してくれると信じている」と語っていた。
同市議会自民系会派や旧民主系会派は、同市出身で元国土交通省官僚の津森洋介氏を擁立しており、保守分裂になるとみられていたが、一転、立候補を断念した理由は何だったのか。
自民党県連は、中尾氏の強い意志を受け、津森氏と中尾氏が直接話し合う場を設けることを明らかにしていた。急転直下、断念したのは、自民党県連が、北九州市議団より、「県政から北九州市を支えてほしい」と津森氏で一本化する懇請を受けたことにある。
県連も中尾氏も、県議会の実力者で、現在、党県連常任相談役を務める蔵内勇夫氏に、一任していた。蔵内氏は「市議団の思いを重く受け止めたい」として中尾氏に翻意するよう説得。福岡県政に大きな影響力を持つ蔵内氏の意向を無視して出ることは政治生命にかかわる。最終的に、中尾氏は「(県議として)育ててくれた県議団、地元の北九州市議団の申し入れを断るとなると、今後の私の政治が立ち行かない、忸怩たる思いだが受け入れた」として、立候補を見送り、今後も県議は続けることも明らかにした。
今回の一本化に至る経過をみても、自民党県連のなかで誰に決定権があるのか、明らかになったといえよう。
北九州市長選は、元厚生労働官僚の武内和久氏が出馬を表明。5日に事務所開きを行い、一部の保守系市議や末吉興一前市長も支援を明らかにしている。このほか、北九州青年会議所の理事を務める清水宏晃氏も出馬の意向を示している。
【近藤 将勝】
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