2024年07月16日( 火 )

岸田内閣終焉Xデー接近

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 NetIB-Newsでは、政治経済学者の植草一秀氏のブログ記事を抜粋して紹介する。今回は、「岸田内閣が持ちこたえることができるかどうかは、旧統一協会問題への適正な対応を、責任を持って示せるかどうかにかかっている」と指摘した11月12日付の記事を紹介する。

岸田内閣の迷走が加速している。

内閣支持率が3割を割り込んだ内閣は10カ月以内に消滅する。

2006年発足の第1次安倍内閣以来、8代の歴代内閣で例外は存在しない。

岸田内閣の不支持率は5割を超えている。

週末にはNHKが世論調査を実施する。

内閣支持率の続落が避けられない。

岸田内閣の転換点になったのは7月14日。

岸田首相は安倍晋三元首相の国葬実施を決めた。

何も決めない、何も決められない岸田首相が初めて独断専横で決定した。

この決定を契機に岸田内閣の凋落がつるべ落としに始まった。

国葬に法的根拠がない。

安倍晋三氏銃殺事件の背景に旧統一協会問題がある。

旧統一協会と自民党との深く強い癒着関係の中核に安倍晋三氏が位置していた。

国会での審議に付すこともなく、根拠法を整備することもなく、岸田首相は安倍元首相国葬決定を強行。

批判が拡大しても立ち止まることをしなかった。

8月10日に内閣改造を前倒しして、旧統一協会との関係遮断を印象付けようとしたが、旧統一協会と深く癒着した山際大志郎経財相が大臣ポストに居座った。

山際経財相を早期に更迭すべきだったが、岸田文雄首相は最後まで山際氏の続投を指向した。

葉梨康弘法相が「法務大臣は死刑のはんこを押すときだけニュースのトップになる地味な役職」と発言した瞬間に、法相更迭を決断すべきだった。

岸田文雄氏は葉梨法相の続投を国会で宣言したが、その直後に続投を断念した。

辞任ドミノが始動している。

政治資金問題が明るみに出ている寺田稔総務大臣、事務所費問題が指摘されている秋葉賢也復興大臣の辞任も秒読み段階に移行している。

岸田内閣で総務大臣政務官に起用された自民党の杉田水脈議員は10月26日に総務大臣政務官として国会で初めて答弁した。

東京高裁が10月20日にジャーナリストの伊藤詩織氏に対する中傷投稿に杉田氏が「いいね」を押したことを侮辱行為と判断して55万円の賠償を命じたことに関して質問されたが、

「係争中の案件であるため回答は控えたい」

「今後の対応を検討している」

と繰り返した。

質問者が「《枕営業の失敗》とか《相手をレイプ魔呼ばわりした卑怯者》など、心ないツイートに25回もいいねしているわけです。どういう気持ちを受けるか想像できなかったのですか?」

と質問しても、

「係争中であるので答弁を差し控える」

の1点張りだった。

質疑では、総務省が取り組んでいる、SNSの誹謗中傷対策キャンペーン「#NoHeartNoSNS(ハートがなけりゃSNSじゃない!)」について、

「ご存じですか?」

の質問が提示されたが、杉田氏は

「申し訳ございません。存じ上げません」

と答弁。

質問者が「大丈夫ですか? 総務省がやっているもので、SNSで誹謗中傷が広まらないようにというアクションです。政務官ですよね?」

と追及すると、杉田氏は、

「すみません。その質問、通告をいただいておりませんので」

と答弁した。

杉田氏は、月刊誌でLGBTなど性的少数者を「生産性がない」と寄稿したことについての責任も問われている。

杉田氏を総務大臣政務官に起用したのも岸田文雄首相である。

問題が発覚するたびに岸田首相は

「任命責任を感じている」

と表明するが、「任命責任を感じている」なら、その責任をかたちとして表さなければ意味がない。

※続きは11月12日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」「岸田内閣終焉Xデー接近」で。


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植草一秀の『知られざる真実』

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