増加する長崎の外国人観光客をねらうラオックス
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長崎県観光振興課の統計で、宿泊客延べ滞在数(宿泊客の数と宿泊数の合計)と日帰り客数を合わせた観光客延べ数が、2014年に前年比4.8%増の3,265万4,164人となり、統計を取り始めた1972年以降で過去最高を記録した長崎県。国体の開催や「明治日本の産業革命遺産」「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」への関心の高まり、ハウステンボスの「光の王国」や長崎市の夜景など、さまざまな要素が結果に結びついたとされている。
観光関連では、クルーズ船の入港数も過去最高を記録した。14年は92隻のクルーズ船が長崎県に寄港した。宿泊客延べ滞在数が多いのは、韓国38万94人(前年比2.0%増)と台湾23万8,571人(同11.7%増)。差が開いて、アメリカ5万7,060人(同27.4%増)が続いている。
観光ビジネスにおいて、軽視できない存在となっている外国人観光客だが、彼らのニーズに応えてか、免税店も増えている。グラバー園へと続くグラバー通りには、立ち並ぶお土産物屋に混じって、国内で22店舗の免税店を経営するラオックス(株)(本社:東京都港区)が出店。キッチン用品、海外向け家電、健康食品などが売られている。同社の免税店は、長崎港松が枝ターミナルビルにもあり、また、今年4月、長崎港に面した高層マンション「タワーシティ長崎」の1階に九州・沖縄地区では6店舗目となる店舗面積175坪の新店を出店。こちらはクルーズ船の寄港時のみの営業となっている。
14年12月期に連結売上高501億9,600万円(前期比51.4%増)、同純利益12億4,200万円の増収増益となり、外国人観光客の増加にともないさらなる躍進が見込まれる同社だが、「グラバー園で電気釜が売られているのはいかがなものか?」と、地元からは疑問の声も。長崎県の交流人口の拡大において、同社の免税店はどのような役割を果たすのだろうか。
【山下 康太】
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