7回名変している中洲4丁目の飲食ビル、何処へ彷徨う
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半世紀にわたる老舗ビル
中洲4丁目川沿いに古臭い飲食ビルが建っている(エクセル東急ホテルの隣接地)。このビルは由緒ある老舗であることはあまり知られていない。昭和31年(1956年)にサッポロビールが所有したことから由来する。なんと59年前の出来事である。45年間ほど地味に飲食店が入居して営業されてきたのだ。あまり目立たない存在であった。慌ただしくなったのは平成4年12月に札幌芙蓉ビルに転売されたときからだ。しかし、この段階ではサッポロビールの関連会社に譲った長閑な名変であった。
にわかに動きが激しくなったのは熊本市にある(株)ジェイアンドジェイが買収した、平成15年7月である。この会社は元々、壽屋の関連会社の居酒屋事業を継承して急成長した企業だ。【十徳や】の店名で人気を博していた。この会社が業績不調で不動産を手放したのが、平成18年8月であった。手放してもこの会社は【中洲大衆さかな市場】として営業している。そして4番目の所有者になったのが、りんかい日産建設であった。ところがこのりんかい日産建設が倒産した。この頃から【中洲4丁目62、63、66番地の土地は呪われている】と囁かれだしたのだ。リーマンショクに翻弄されて
平成19年3月には出会い橋特定目的会社に名変された。前所有者が持っていたのは僅か5カ月であった。それから1年後には東京の(株)フラグシップが押さえた(平成20年3月)。それから3カ月余後の7月に(株)アイ・ティマネジメントに転売された。ちょうどリーマンショック後であった。まさしくリーマンショクに翻弄されたといえる。この会社が所有して1年3カ月後(平成21年10月)、この土地を財務省が差押している。その後は各行政機関がこぞって参加差押を強行したのだ。
こうなると競売が常套の道である。だが、アイ・ティマネジメントの井手社長は粘った。任意売却に漕ぎつけたのである。7番目の持ち主は北九州の(株)teamBだ。不動産事業会社である。関連では老健施設も経営している。この呪われた中洲4丁目62、63、66の不動産が7回に及ぶ名変がなされたが、それぞれに口外できないドラマが山積しているのである。このビルでは相変わらず【中洲大衆さかな市場】が営業されているのが、せめてもの救いだ
【青木 義彦】
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