九州地銀(18行)の2022年9月期(中間期)決算を検証する(3)
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【表】は九州金融グループの2023年3月期第2四半期(2022年9月期)の純資産残高・総資産残高・自己資本比率の順位表である。
1.九州の金融グループについて
◆純資産残高1位はふくおかFG。前年比-1,089億円の8,682億円(同比-11.1%)。シェアは42.9%。
・2位は九州FG。前年比-516億円の6,473億円(同比-7.4%)。シェアは32.0%。
・3位は西日本FH。前年比-535億円の5,092億円(同比-9.5%)。シェアは25.1%。
◆総資産残高1位はふくおかFG。前年比+1,066億円の28兆8,277億円(同比+0.4%)。
・2位は九州FG。前年比-5,525億円の12兆9,964億円(同比-4.1%)。
・3位は西日本FH。前年比-3,126億円の12兆8,464億円(同比-2.4%)。
・ふくおかFGの総資産残高は、九州FG+西日本FHの総資産残高を上回っており、圧倒的な差が読み取れる。
◆自己資本比率1位は九州FG。前年比-0.30%の10.78%。
・2位はふくおかFG。前年比-0.38%の10.41%。
・3位は西日本FH。前年比-0.32%の9.36%。2.九州地銀(18行)の経営成績順位表
(1)純資産残高順位表
◆純資産残高1位は福岡銀行。前年比-709億62百万円の6,277億65百万円(同比-10.2%)。
・2位は西日本シティ銀行。前年比-449億90百万円の5,012億74百万円(同比-8.2%)。
・3位は昨年4位だった鹿児島銀行。同じグループの肥後銀行を上回っている。前年比-226億78百万円の3,181億47百万円(同比-6.7%)。
・4位は肥後銀行。前年比-274億80百万円の3,145億64百万円(同比-8.0%)。
・5位は十八親和銀行。前年比-349億96百万円の2,491億56百万円(同比-12.3%)。ここまでが純資産残高が2,000億円以上となっている。
・6位は大分銀行。前年比-236億16百万円の1,866億47百万円(同比-11.2%)。
・7位は宮崎銀行。前年比-70億93百万円の1,548億66百万円(同比-4.4)。
・8位は佐賀銀行。前年比-155億41百万円の1,076億51百万円(同比-12.6%)。
・9位は北九州銀行。前年比-52億1百万円の1,034億67百万円(同比-4.8%)。ここまでが純資産残高が1,000億円以上の銀行。
・10位は熊本銀行。前年比+4億20百万円の895億円(同比+0.5%)。
・11位は昨年12位だった宮崎太陽銀行。前年比+39億92百万円の546億45百万円(同比+7.9%)。
・12位は昨年11位だった南日本銀行。前年比-151億円の374億8百万円(同比-28.8%)と大幅な減少となっている。
・13位は筑邦銀行。前年比-100億45百万円の317億64百万円(同比-24.0%)。
・14位は豊和銀行。前年比-10億74百万円の315億34百万円(同比-3.3%)。
・15位は福岡中央銀行。前年比-6億21百万円の299億86百万円(同比-2.0%)。
・16位は長崎銀行。前年比+4億1百万円の187億3百万円(同比+2.2%)。
・17位は佐賀共栄銀行。前年比-6億95百万円の146億11百万円(同比-4.5%)。
・18位はふくおかFG傘下のみんなの銀行(インターネット専業銀行)。前年比-41億7百万円の101億97百万円(同比-28.70%)となっている。(2)総資産残高順位表について
◆1位は福岡銀行。前年比+3,745億円の20兆9,186億円(同比+1.8%)。20兆円超える圧倒的なボリューム。(億円以下切り捨て)
・2位は西日本シティ銀行。前年比-3,110億円の12兆5,471億円(前年比-2.4%)。10兆円を超えているのは福岡銀行と2行だけとなっている。
・3位は肥後銀行。前年比-2,632億円の6兆9,431億円(同比-3.7%)。7兆円を割っている。
・4位は十八親和銀行。前年比-1,121億円の6兆4,831億円(同比-1.7%)。
・5位は鹿児島銀行。前年比-2,928億円の6兆203億円(同比-4.6%)。ここまでが5兆円以上となっている。(3)自己資本比率について
◆1位は宮崎太陽銀行で11.08%。2位は鹿児島銀行で10.51%。
・3位は山口FG傘下の北九州銀行10.24%。4位は肥後銀行10.07%。ここまでの4行が10%以上となっている。<まとめ>
国際統一基準では、バーゼル合意に基づき、銀行の達成すべき自己資本比率は8%以上と定めている。九州地銀18行のうち筑邦銀行だけが7.88%と8%を割っている。日銀のゼロ金利政策の継続や新型コロナウイルスの影響は深刻であり、今後、純資産残高のボリュームが小さい銀行や自己資本比率が低い銀行は、生き残りを賭けて経営統合を加速することが予想される。(つづく)
【(株)データ・マックス顧問 浜崎裕治】
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