九州地銀(18行)の2022年9月期(中間期)決算を検証する(5)
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【表】は九州地銀の2022年9月期(中間期)の総預金残高(預金残高+譲渡性預金)順位表である。
(1)九州地銀の3金融グループ(FG・FH)の預金残高(連結)順位表
◆2022年9月期の預金残高1位はふくおかFGで、前期比+63億円の20兆4,890億円(同比+0.0%)。
・2位は九州FG。前期比+1,021億円の10兆2,649億円(同比+1.0%)。
・3位は西日本FH。前期比+2,406億円の10兆751億円(同比+2.4%)。
・ふくおかFGのシェアは50.2%。九州FG25.1%、西日本FH24.7%となっており、ふくおかFGは過半数を超えている。(2)九州地銀(18行)の総預金残高順位
◆総預金残高1位は福岡銀行。前期比-672億円の13兆2,811億円(同比-0.5%)。福岡銀行だけが10兆円を超えている。シェアは24.0%
・2位は西日本シティ銀行。前期比+2,335億円の9兆8,253億円(同比+2.4%)。シェアは17.8%。
・3位は十八親和銀行。前期比332億円の5兆6,443億円(同比+0.6%)。シェアは10.2%。
・4位は肥後銀行。前期比+464億円の5兆4,047億円(同比+0.9%)。シェアは9.8%。
・5位鹿児島銀行。前期比+596億円の4兆8,790億円(同比+1.2%)。シェアは8.8%。
・6位大分銀行。前期比+292億円の3兆5,014億円(同比+0.8%)。シェアは6.3%。
・7位宮崎銀行。前期比+746億円の3兆725億円(同比+2.5%)。シェアは5.6%。
・8位佐賀銀行。前期比-111億円の2兆7,900億円(同比-0.4%)。シェアは5.0%。ここまでが2兆円以上の銀行。
・9位熊本銀行。前期比+357億円の1兆6,385億円(同比+2.2%)。シェアは3.0%。
・10位北九州銀行。前期比-65億円の1兆2,871億円(同比-0.5%)と減少しているのが目に付く。シェアは2.3%。ここまでが1兆円以上の銀行。10位までのシェア合計は92.8%と9割を超えている。以下シェアは省略する。
・11位筑邦銀行。前期比+297億円の8,292億円(同比+3.7%)。
・12位南日本銀行。前期比-13億円の7,807億円(同比-0.2%)。
・13位宮崎太陽銀行。前期比+103億円の7,362億円(同比+1.4%)。
・14位豊和銀行。前期比+9億円の5,767億円(同比+0.2%)。
・15位福岡中央銀行。前期比+465億円の5,404億円(同比+9.4%)。
・16位長崎銀行。前期比+1億円の2,629億円(同比+0.0%)。
・17位佐賀共栄銀行。前期比+61億円の2,477億円(同比+2.5%)。
・18位みんなの銀行。前期比+118億円の176億円(同比+203.4%)。筑邦銀行を含む8行が1兆円以下となっている。<まとめ>
◆九州地銀18行の預貸率平均は80.8%。これを超えている銀行は7行。下回っているのは11行となっている。
・預貸率が100%を超えるオーバーローンの銀行は3行。熊本銀行118.0%。北九州銀行103.4%、長崎銀行103.3%%。いずれも金融グループの傘下銀行であり資金的に問題はない。
・預貸率が80%台の銀行は4行。福岡銀行86.3%。鹿児島銀行82.8%。西日本シティ銀行81.2%。肥後銀行81.1%。
・預貸率が70%台の銀行は8行。佐賀銀行79.5%。福岡中央銀行79.1%。佐賀共栄銀行78.7%。宮崎銀行75.9%。南日本銀行74.4%。宮崎太陽銀行73.4%。豊和銀行72.1%。十八親和銀行70.5%。
・預貸率が60%台以下の銀行は3行。筑邦銀行65.3%。大分銀行58.9%。みんなの銀行16.5%。九州地銀18行のうち預貸率が80%以上の銀行は7行しかなく、預金は増加しても貸出金は伸びない状況にあるのが読み取れる。日銀のゼロ金利政策が続いている今は、「コストのかかる預金はいらない」というのが本音ではないだろうか。(つづく)
【(株)データ・マックス顧問 浜崎裕治】
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