2024年11月30日( 土 )

裁判所は政治権力の番人

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 NetIB-Newsでは、政治経済学者の植草一秀氏のブログ記事を抜粋して紹介する。今回は、「日本は公正な法の執行が行われていない」と指摘した11月25日付の記事を紹介する。

日本という国の実態を洞察することが重要だ。

「価値観外交」という言葉がある。

自由、人権、民主主義、法の支配、市場経済。

価値観を共有する国との連携を強めてゆくというもの。

岸田文雄氏が1つ覚えのように繰り返す。

主導するのは米国だ。

米国が掲げる価値観、思想、哲学が唯一絶対の正義。

この米国の価値観を世界に埋め込む。

必要があれば軍事力の行使も辞さない。

ウクライナでは親ロシア政権が二度にわたり転覆された。

いずれも米国が工作し政権転覆を図ったものと思われる。

2014年の政変は米国がウクライナ内のネオナチ勢力と結託して実行した暴力による政権転覆であったと判断できる。

政権転覆後のウクライナ非合法政府はロシア語系住民に対する人権侵害、虐待行為を展開した。

これにロシア語系住民が抵抗した。

結果としてウクライナ内戦が勃発。

このウクライナ内戦を収束するために制定されたのがミンスク合意である。

ウクライナ政府がミンスク合意を誠実に履行していればウクライナ戦乱は発生していない。

「価値観外交」の「価値観」に含まれる「民主主義」の最重要点は「多様な価値観、思想、哲学の併存」を認めること。

「価値観外交」の実態は「民主主義」の否定そのものだ。

「価値観外交」は中国やロシアの思想、哲学、価値観を認めない。

権威主義、独裁主義と称して破壊の対象と位置付ける。

米国が掲げる「価値観外交」に金魚のフンのように付き従っているのが日本の現状。

「価値観外交」の核心は「自由」と「市場経済」にある。

弱肉強食の市場原理主義を埋め込むこと。

これが米国の目的だ。

その目的のためには武力の行使をも辞さない。

日本の実態が本当にロシアや中国よりも優れていると言い切れるか。

日本という国の実態を垣間見せているのが森友事件。

時価10億円の国有地がタダ同然の安値で払い下げられた。

安倍首相夫婦が密接な関係を有する学校法人に特別の便宜が図られた事件だ。

このこと自体が国に巨大な損失を与える背任事件だった。

安倍元首相は「自分や妻が関わっていたら総理大臣も国会議員も辞める」と国会答弁で啖呵を切ったが、実際には安倍氏も安倍夫人も深く関わっていた。

財務省の佐川宣寿理財局長は公文書における森友事案と安倍氏夫妻の関わりを示す記述の改ざんを指揮命令したと見られる。

刑法上の虚偽公文書作成罪に該当する刑法犯罪行為。

財務省近畿財務局の職員だった赤木俊夫氏が虚偽公文書作成を命令され、実行した。

虚偽公文書作成の事実が国会審議を通じて発覚したことを背景に赤木氏自死が生じた。

これらの事案について、安倍夫妻も財務省幹部も一切の責任を問われていない。

れっきとした刑法犯罪である。

すべての事案が無罪放免にされている。

かつてバブルの時代に銀行が放漫経営を行い、財務省からの天下り経営者が粉飾決算の罪で起訴されたことがあった。

この事件も財務省出身の判事を含む最高裁が無罪放免にした。

日本の刑事司法は完全に腐敗している。


※続きは11月25日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」「裁判所は政治権力の番人」で。


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植草一秀の『知られざる真実』

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