日本式経営を実践するベトナム企業との交流会実施~JICA
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13日、「日本式経営を実践するベトナム企業経営者とのビジネス交流会」が北九州市で開催された。主催は独立行政法人国際協力機構(JICA)、共催はJICAの支援のもと、ベトナムでのビジネス人材育成拠点となっているベトナム日本人材開発インスティチュート(VJCC)。
ベトナム日本人材開発インスティチュートは、前身となるセンターが2000年にベトナム首相の認可を得て、01年からハノイ、02年からはホーチミンでそれぞれ活動している(17年に組織統合)。現地企業と日系企業を対象にサービスを展開し、09年からベトナム企業の経営者育成のための「経営塾」を始めており、これまでに経営塾およびビジネス研修には約5万3,000人が参加している。
当日はJICAが支援する日本式経営塾研修の一環として来日している20社超のベトナム・ホーチミンの企業経営者・幹部と日本企業との交流が行われた。
交流会では、元日本経済新聞ハノイ支局長で公益財団法人日本経済研究センター主任研究員・富山篤氏がベトナムの経済・社会事情について講演を行った。国全体としては、コロナ禍の時期を含め1980年以降マイナス成長を経験しておらず、今後も高成長を続け、2035年にはGDPでタイを抜き、ASEANではインドネシアに次ぐ経済規模に成長する見込みだ(日本経済研究センター予測)。
北部・(中部)・南部の違いが大きいベトナム。富山氏によると、これまでホーチミン、メコンデルタ地域などの南部がベトナムの発展を牽引してきたが、その分コロナの影響を大きく被っている一方、近年は北部が好調であり、南北の主要な投資先が紹介された。
リスクについても指摘がなされた。1つはベトナムの一党独裁体制に起因する許認可などの不透明さ、賄賂の横行。もう1つは急上昇中の人件費だ。一般労働者の賃金はこの10年で2.8倍になっており、ASEANにおいていまなお競争力は有するものの、その優位性は数年で失われるかもしれない。地方は人件費が主要都市と比べ低いものの、インフラが整っていないなどの問題もある。
人件費に関して、富山氏は32年にはベトナムの給与水準が日本の半分近くに達する見込みであり、日本が今のままであれば給与面でベトナム人が日本に働きにくるメリットは感じなくなると指摘する。そのうえで、給与面ではなく、日本でしか学べない知識などをベトナム人らの労働者が身につけられるようになっておかないと、労働力の受け入れおよび維持は難しくなると警鐘を鳴らした。
交流会では、日越企業による商談会およびベトナム日本人材開発インスティチュートの代表であるドン・ホン・ムオイ氏によるベトナムでの企業向けサービスの紹介も行われた。
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ベトナム日本人材開発インスティチュート(VJCC)【茅野 雅弘】
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