2024年11月17日( 日 )

九州地銀の2023年3月期の当期純利益を検証する

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【表】は九州地銀(18行)の2023年3月期の経営成績推移表である。
(1)    金融グループの23年3月期の当期純利益(予想)順位表について
◆九州地銀(18行)のうち金融グループ傘下行は、ふくおかFG5行(福岡銀行・熊本銀行・十八親和銀行・みんなの銀行・福岡中央銀行)、西日本FH2行(西日本シティ銀行・長崎銀行)、九州FG2行(肥後銀行・鹿児島銀行)、北九州銀行(山口FG傘下)の10行。
・ふくおかFGは22年11月11日、福岡中央銀行と経営統合すると発表。23年6月の株主総会を経て23年10月1日に合併予定。ふくおかFGは福岡中央銀行に歴代頭取を派遣して親密な関係にあった。
◆1位はふくおかFGで、前期比2,882百万円増の570億円(同比+5.3%)。シェアは52.8%で過半数を超えている。
・2位は西日本FHで、前期比1,764百万円増の260億円(同比+7.3%)。シェアは24.1%。
・3位は九州FGで、前期比8,345百万円増の250億円(同比+50.1%)。シェアは23.1%で、順位の変動はない。
・北九州銀行を傘下に置く山口FGは、前期比30,055百万円増の170億円。前期の赤字から黒字転換しているが、金融グループのなかでは最下位となっている。吉村会長解任後の経営も厳しい状況にあることが読み取れる。

(2)九州地銀(18行)の当期純利益順位表について
◆ふくおかFG傘下のみんなの銀行は設立して間がなく創業赤字が続いている。23年3月期の当期純利益の予想はなく、前期の▲3,586百万円の実数だけとなっており、全体の計数から外している。
◆1位は福岡銀行で、前期比3,308百万円増の561億円(同比+6.3%)。シェアは41.1%。
・2位は西日本シティ銀行で、前期比▲6,043百万円の150億円(同比-28.7%)。シェアは11.0%。
・3位は肥後銀行で、前期比1,933百万円増の140億円(同比+16.0%)。シェアは10.2%。
・4位は十八親和銀行で、前期比1,150百万円増の120億円(同比+10.6%)。シェアは8.8%。
・5位は鹿児島銀行で、前期比3,019百万円増の110億円(同比+37.8%)。シェアは8.1%。ここまでの5行が当期純利益100億円以上で、シェア合計は79.2%を占めている。
◆6位は宮崎銀行で、前期比27百万円増の75億円(同比+0.4%)。
・7位は熊本銀行で、前期比▲28百万円の51億円(同比-0.5%)。前期は8位。
・8位は大分銀行で、前期比▲776百万円の46億円(同比-14.4%)。前期は7位。
・9位は佐賀銀行で、前期比▲76百万円の40億円(同比-1.9%)。前期も9位。
・10位は北九州銀行で、前期比2,960百万円増の32億円と大幅な増益予想。前期は16位。
◆11位は豊和銀行で、前期比▲48百万円の8億円(同比-5.7%)。前期は13位。
・12位は南日本銀行で、前期比▲1,462百万円の7億5,000万円(同比-66.1%)と、大幅な減益予想。前期は10位。
・13位は宮崎太陽銀行で、前期比▲928百万円の7億円(同比-57.0%)。前期は11位。
・同じく13位は筑邦銀行で、前期比137百万円増の7億円(同比+24.3%)。前期は15位。
・15位は福岡中央銀行で、前期比▲369百万円の5億円(同比-42.5%)。前期は12位。
・16位は佐賀共栄銀行で、前期比▲279百万円の3億6,000万円(同比-43.7%)。前期は14位。
・17位は長崎銀行で、前期比58百万円増の2億9,000万円(同比+25.0%)。前期も17位。

<まとめ>
 九州地銀18行のうち、前期比プラス予想の銀行は8行。マイナス予想の銀行は10行となっている。相対的に第二地銀の当期純利益が厳しい状況にあるのがわかる。
 このなかで山口FG傘下の北九州銀行は大幅な増益予想となっている。しかし、同じ山口FG傘下の「ワイエム証券」の元社員、赤木将太容疑者(34)が、広島県内の高齢女性からキャッシュカードをだまし取り、3,800万円余りを盗んだと報じられており、北九州銀行の収益に、今後どのような影響が出るのかを見守りたい。

【表】九州地銀の2023年3月期の経営成績推移表
【表】九州地銀の2023年3月期の経営成績推移表

【(株)データ・マックス顧問 浜崎 裕治】

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