2024年12月23日( 月 )

【筑紫野市長選】12年ぶりの選挙~現職含む三つ巴の戦い

記事を保存する

保存した記事はマイページからいつでも閲覧いただけます。

印刷
お問い合わせ

 任期満了にともなう福岡県筑紫野市長選挙が15日告示された。新人で、前県議の平井一三氏(68)(自民党筑紫野市支部推薦)、同じく新人で前市議の浜武振一氏(57)、4選を目指す現職の藤田陽三氏(80)(自民、公明、国民民主推薦)の3人が立候補を届け出た。いずれの候補者も保守系で、選挙戦となるのは、2011年以来、12年ぶりとなる。投開票は22日。

 今回の市長選は、政党内も分裂。自民党県連が藤田氏、同筑紫野市支部が平井氏を推薦した。立憲民主党は自主投票とし、藤田・平井両氏に同党所属の県議、市議が分かれ、部落解放同盟筑紫地区協議会が藤田氏、連合筑紫・朝倉地域協議会が平井氏をそれぞれ推薦し、支持団体も分かれるという複雑な様相となっている。

平井一三氏
平井 一三 氏

 平井氏は、出陣式を午前10時から二日市温泉の旅館「大観荘」で行った。平井氏を推薦する自民党筑紫野市支部関係者のほか、山崎拓・元自民党副総裁、原田義昭元環境大臣、楠田幹人元筑紫野市長、自治労福岡県本部の幹部ら約200名が出席した。平井氏は、子育て支援やスポーツ振興などを政策に掲げ、「現状維持は、後退と同じ。世界も変わるなかで、筑紫野市も変わらなければならない」と世代交代の必要性を訴えた。

浜武振一氏
浜武 振一 氏

 浜武氏は、同市二日市紫にある平成橋にて第一声をあげた。同橋は、2014年の水害で周辺地域が床上浸水するなど大きな被害が出たことをきっかけに、高尾川の氾濫を防ぐためにそれまでの橋からかけ替えられた。付近の住民からは地盤沈下の苦情が寄せられているといい、「県の仕事だから市は関係ないはおかしい」と市の姿勢を批判した。午後からは、産業廃棄物処理施設の建設予定地である山家地区でもマイクを握り、「環境問題で市民が困っていたら、市長は住民の立場に立つべき」との持論を展開した。

藤田陽三氏
藤田 陽三 氏

 藤田氏は、午前10時より選挙事務所前の特設会場で出発式を開いた。江口勝福岡県副知事、自民党福岡県連会長の原口剣生県議、公明党の下野六太参議院議員、栗原渉自民党福岡5区支部長、大田京子国民民主党福岡県連代表、原竹岩海福岡県議会議員、武末茂喜那珂川市長など地元政界、周辺首長の多くが出席。支援団体や市民ら約500名が詰めかけた。

 原口氏は、「仕事が終わったら、にこっとされる笑顔がたまらない」とのエピソードを語り、30年以上の懸案だった新庁舎建設や、高尾川・鷲田川の治水対策などの実績を称えた。
また、県議会議員時代、当選同期であった三田村統之八女市長などからも激励のメッセージが多数寄せられた。

 藤田氏は「市民への恩返しはまだまだ道半ば。1つでも2つでもプラスアルファできるよう頑張る。筑紫野市を安心安全な住みよいまちにしたい」と決意表明をした。

 筑紫野市は、人口10万6,000人。福岡県下で7番目に人口が多い。市内を九州自動車道、西鉄、JRが縦断する交通の要衝にあり、福岡市のベットタウンとして人口が増えている。一方で子育て支援や高齢者福祉の充実など課題も多い。昨年、市制50周年を迎えた筑紫野市だが、今回の市長選挙は、次の50年後を見据えた展望を誰が描くのか、3期12年の現市政を市民が評価する重要な選挙となる。

【近藤 将勝】

関連記事