2024年11月05日( 火 )

こどもが成長し活躍できるまちへ 福岡の明るい未来を支える(前)

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(一社)福岡青年会議所
理事長 前川 裕貴 氏

 (一社)福岡青年会議所(以下、JCI福岡)は2023年、創立70周年を迎える。「ひとづくり」「まちづくり」を通じて、明るい豊かな社会を実現すべく、活動を継続してきた。人口増加、天神ビッグバンによる土地開発などによって、めまぐるしく変化と発展を繰り返す福岡で、今後JCI福岡はどのような役割を担い、存在感を発揮していくのか。第71代理事長に就任した前川裕貴氏に話を聞いた。

(聞き手:(株)データ・マックス 執行役員 鹿島 譲二)

福岡の子どもの未来のため

(一社)福岡青年会議所 理事長 前川裕貴氏
(一社)福岡青年会議所
理事長 前川 裕貴 氏

    ──理事長就任にあたり、決意をお聞かせください。

 前川裕貴氏(以下、前川) 1月にJCI福岡理事長に就任しました。1年という限られた任期のなか、覚悟と実行力をもって尽力いたします。今年度は2022年にまとめた、こども未来都市宣言の提言書の項目を事業化して具体的に取り組んでいくとともに、24年に開催される、日本青年会議所第73回全国大会に向けての準備を進めることが重要だと考えています。

 提言書では「福岡を、子どもたちの可能性を大きく開花させるまちへ」という目標を掲げました。アジアの玄関口として発展を続けるこの街で、グローバルに活躍できる子どもの育成を目指すものです。全国大会には、毎年1万人以上の方が参加します。福岡の街の魅力を伝え、より良い明るい未来を築くためにも、こども未来都市宣言の内容に沿う企画を立てています。

 ──JCI福岡にはいつ入会されたのですか。

 前川 14年9月です。当時勤めていた会社に勧められるがままの入会でした。しかし、会社と家の往復だけの生活が一変し、活動を通じてさまざまなつながりをもつことができました。私はもともと大阪出身で、若いころは故郷に帰ろうかとぼんやり思っていましたが、今では福岡に永住したいと考えるようになりました。歴代理事長は福岡出身者が多く、少し違う視点から福岡の街を見ることができたのも良かったのかもしれません。

 ──入会後、どのような変化を実感していますか。

 前川 良くも悪くも、自分以外のすべての人が教師となります。時には自分のなかで時間をかけて噛み砕き、消化することも必要です。判断力もつきました。委員会も役職も毎年代わりますので、その都度、やるべきことや視点も変わります。自分の役割を全うするために皆で切磋琢磨するのです。

 JCIは実践型トレーニングといわれています。企画を立て、汗水を流して、身体を使います。これは若いからこそできることですよね。他の団体と大きく異なる点は「40歳で卒業する」というルールだと思いますが、限られた時間でさまざまな業種の方と和気藹々と話せるので、世界も広がりました。

 ──青年会議所は厳しい縦社会で、活動が多忙だとも聞きます。

 前川 私はまったくそうは思いません。すべてはその人の捉え方次第だと思います。もしかしたら甘く見ている方もいるのかもしれませんが、会社と同じで、入会後は年齢に関わらず1番下からのスタートです。厳しいことをいわれることだってもちろんありますが、そのありがたさを感じられないのはもったいないことです。多忙になる分、判断力も身につきます。たとえば、夜はJC活動で遅くなるなら、起床時間を早くして仕事を進めておく、翌朝が仕事で早いならJCで飲み会があっても深酒はしないようにするなど、与えられた時間を有効に使い、スケジュールが管理できるようになれば、誰でも務まります。

各々が活躍できる場所を

22年の活動の様子
22年の活動の様子

    ──現在のJCI福岡について、詳しく教えてください。

 前川 JCI福岡は、1953年に結成された、“明るい豊かな社会”の実現を目指し、さまざまな活動を行う団体です。次世代の担い手としての責任を自覚する青年(20~40歳)が集い、日々の活動を通じて、互いに切磋琢磨しながら力を伸ばしています。執行部および15の委員会で構成されており、企画運営を行っています。委員会の数は多少変動しますが、各委員会のメンバーは常時15名程度です。

 現在の会員数は266名、毎年の新規入会者数は40~50名で、最年少メンバーは22歳です。40歳の卒業まで、3年以上活動できる期間がないと入会できない決まりであり、入会可能年齢は37歳までです。近年はコロナ禍でわずかに減りましたが、それでも会員数はほぼ横ばいです。メインメンバーには、35歳前後が多い印象です。日本青年会議所の下部組織というわけではなく別個の組織です。また、全国の組織へ出向者を出しており、面白い組織づくりをしていると思っています。

 ──女性メンバーも増えていますか。

 前川 男女比は9:1と男性が圧倒的に多いのですが、年々女性も増加しています。女性の新規入会は毎年1、2名でしたが、昨年は約10名と一気に増えました。全国的にみると委員長、理事長も女性の比率が伸びています。JCI福岡も育LOM宣言をし、月1の例会に子連れでも参加できるようにしたり、会場にベビーシッターの用意をしたりと取り組みを加速させています。ただ、私たちは“女性活躍推進”という言葉や考え方には違和感を抱いています。ジェンダーという言葉自体がなくなるよう、それにこだわらず一個人のメンバーとして、活躍できる場所にしたいと思います。

(つづく)

【文・構成:清家 麻衣子】


<ASSOCIATION INFORMATION>
理事長:前川 裕貴
所在地:福岡市博多区築港本町13-6
創 立:1953年2月
TEL:092-263-6333
URL:https://www.fukuoka-jc.or.jp


<プロフィール>
前川 裕貴
(まえかわ ひろき)
1984年、大阪府出身。2014年9月にJCI福岡入会。20年理事長チーム事務局長、21年副理事長を経て、23年1月に理事長に就任。(株)ウィズグループ代表取締役。趣味はゴルフとブレイクダンス。

(後)

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