【徹底告発/福岡大・朔学長の裏面史(28)】放漫財政篇6:権勢固めのため大学の財産にも手を伸ばす?!
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2019年12月の就任以来、栄えるのは医学部と病院部門だけで十分といわんばかりに、我田引水丸出しの施策に強権をふるってきた朔啓二郎・福岡大学長。今度は唐人町の旧福岡市立こども病院跡地での新病院開院を目論んでいるようだ。目論見通りに落札をはたすとして、これが福岡大の未来にプラスになるのだろうか。そもそも、いまの福岡大にそんな余力はあるのか。朔学長の舵取りの危うさ・無謀さを財務状況から明らかにする【徹底告発/福岡大・朔学長の裏面史】シーズン4、ここに完結。
このように、「こども病院跡地」で新病院を建設しようという朔執行部の目論見は、どう考えても無理筋と言わざるをえない。そして、1月30日、積水ハウスと福岡大の事業グループが跡地開発の優先交渉権者に決定したことが発表された。実際に病院建設となれば、福岡大の財政は逼迫、教育・研究のクオリティを低下させ、それが学生数の減少をもたらし、というふうに、負のスパイラルを生成していくことは目に見えている。
朔執行部は「博多駅クリニック」に続き、「西新病院」も非採算部門として廃止するつもりだという。「子ども病院跡地」での新病院建設計画は、この西新病院廃止計画とセットで説明されているようだ。だが、たとえこの病院を手放しても資金はつくれない。むしろ無駄な出費が発生する可能性が高い。同病院は前執行部が福岡市医師会から成人病センターを事業譲受し、2018年4月に開院した病院。建物は貰い受けたが土地は医師会の所有である。年間数千万円の賃料は浮くにせよ、契約解除となれば諸々の費用がかかるだろう。更地にして返すよう要求される可能性もある。
財政の改善のためというなら西新病院を廃止するだけではダメなのか。役員たちからもそうした疑問の声がさかんに上がった。だが朔執行部は、「廃止にするだけでは、そこの職員や患者はどうなるのかという問題が出てくる」などと強弁しつつ、「こども病院跡地」活用事業への入札の承認を取りつけてしまったようだ。「この話をなんとしても進めたい裏事情でもあるんでしょう」。ある関係者はそうほのめかす。
朔学長の「推薦」で病院長に就任したかれの愛弟子M教授のもとで、西新病院のポストはかれらの専門である循環器内科の後輩医師らで次々置き換えられ、いまや朔氏の“シマ”のような様相を呈していることはすでに報じた通りである。新しい病院ポストはそっくりそのまま、この面々にあてがわれることになるのだろう。事実、公表された事業計画によれば、積水の「タワマン」と並び建設されるのは「内科総合病院」というではないか。朔氏の権勢もここに極まれりの観があるが、聞き捨てならないのは関係者による次の話である。
「こども病院跡地への入札話が出てくる少し前に、朔学長が某団体の会食で積水の幹部と同席していたという噂があります。積水にしてみれば、人口増の福岡市の、それも一等地にある同跡地は、喉から手が出るほど欲しい土地のはず。自分の手で病院を建てたい朔学長と意気投合しただろうことは、想像に難くありません。
とはいえ、これまでの病院部門への設備投資で、すでに借金がかさんでしまっている福岡大のこと。落札していざ建設となっても、これ以上の借金はできますまい。そこで、かつて商学部二部の高宮校舎があり、現在は附属高校の部活動に利用されている高宮グラウンド──西鉄平尾駅と高宮駅の中間あたりにある、敷地面積1万9,300m2の一等地です──を手放すつもりではないかとも言われています。積水がこれも見越して朔学長と組んだとすれば、まったくもって、したたかと言わざるをえません。」
この話の通りなら、朔学長は己れの権力欲を満たすために、大学の財産にまで手をつけようとしていることになる。こんなことがはたして許されてよいものか。
(了)
【特別取材班】
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