ZHDがヤフーとLINEと合併へ

　Zホールディングス（株）（以下、ZHD）と、その傘下にあるヤフー（株）、LINE（株）の3社が2023年度中に合併することが2月2日、明らかになった。コロナ禍や景気先行き不安などの影響で広告事業の成長が伸び悩んでいることなどから、合併によりグループ経営の意思決定迅速化、各社事業の連携強化や、サービスの集約化を図るなどの狙いがあるとみられる。

　ヤフーとLINEは、ネット上でのニュース発信や広告、金融など広範な事業とサービス提供を行っている。ただ、重複するサービスが散見され、今回の動きに先立ってサービス集約化に取り組んでいた。たとえば、電子決済サービスの「LINE Pay」を「PayPay」に一本化する方向で動いているほか、今年1月には動画配信サービス「GYAO!」、ライブ配信サービス「LINE LIVE」と「LINE LIVE-VIEWING」の終了を発表。動画関連サービスについてはLINE内の「LINE VOOM」に経営資源を集中する。

　なお、ZHDの2022年3月期業績（連結）は売上高1兆5,674億円（前期比30.0％増）、営業利益1,895億円（同16.9％増）となるなど業績低迷の状況であるわけではないが、一連の動きは事業全体の強化や効率化に課題があることを表している。

【田中　直輝】