国内太陽光パネルメーカーの事業撤退が相次ぐ理由
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再生可能エネルギーによる持続可能社会実現に貢献するものとして、住宅や産業向けに幅広く普及している太陽光発電システム。東京都が新築住宅などへの設置を義務化する制度を2025年4月からスタートすることが決まり、他のエリアにもこの動きが広まるものと見られることなどから、より一層の普及が見込まれる。その一方で、国内大手メーカーではこれまでにパネル生産や販売からの撤退が相次いでいる。
直近では2月3日、東芝グループでエネルギー事業を担う東芝エネルギーシステムズ(株)(神奈川県川崎市)が、住宅用太陽光発電システム事業からの撤退を発表。今後は産業用事業に注力するとしている。なお、住宅用事業についてはアフターサービス業務を(株)エクソルに譲渡し、2023年3月15日以降は同社とその子会社がサービスを継続するという。
国内大手では、三菱電機(株)が20年に自社ブランドによる同システムの製造販売を終了。21年度にはパナソニックのライフソリューションズ社が住宅用、公共・産業用パネルの生産、出光興産グループのソーラーフロンティアも国内生産を終了していた。
FIT買取価格低下と競争激化が要因
国内での太陽光発電システムの市場拡大は、12年の再生可能エネルギー固定価格買取制度(FIT制度)導入が契機となった。ただ、その拡大はFITによる補助金(発電電力の買取価格上乗せ)が強く影響し、買取価格が低下するなかで事業収益性が悪化していた。また、低価格パネルを生産する中国などのメーカーの市場参入もあり、競争が激化していた。
【田中 直輝】
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