2024年11月21日( 木 )

社会のために物言う企業経営者~日本の未来を担う子どもたちのために(前)

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(株)ゆうネット
代表取締役 堤 猛 氏

 家づくり、リフォームに関する情報提供を行う(株)ゆうネット代表取締役・堤猛氏は、地元紙をはじめ全国の60を超える新聞に、子どもに対する新型コロナ予防ワクチン接種についての意見広告を掲載した。大きな反響を呼び、全国の心ある市民から集まった寄付金は総額で約3億円。広告掲載は子を持つ親の1人として、企業経営者として、何ができるのか考えたうえでの決断だった。企業経営と公益を両立させながら、社会貢献を行う経営者の在り方について堤氏に話を聞いた。

意見広告の反響大きく、多額の寄付金が集まる

 (株)ゆうネット 堤 猛 代表

    ──2021年11月から全国の地方紙・全国紙に、子どもに対する新型コロナ予防ワクチン接種についての意見広告を出稿されてきました。どのようなきっかけで行動を起こされたのでしょうか。

 堤猛氏(以下、堤) 21年3月、私の地元にある八女総合公立病院に勤務されていた健康な26歳の女性看護師が、コロナワクチンを接種した4日後に突然お亡くなりになりました。

 この女性の死因については、22年12月になってから、ようやく厚生労働省が「接種と死亡との因果関係は否定できない」と認めましたが、当初は、納得のいく検証報告もないまま、早々に「因果関係は不明」として処理されてしまいました。

 健康な若者が接種後に変死したのですから、「このワクチンは危険なのではないか?」と考えるのは、私にとって自然なことでした。ましてや、地元の若者の身に降りかかった出来事です。いとも簡単に黙殺状態にされるのを見て、国の冷酷な態度に大きな不信感をもちました。

 「これはおかしい。このまま黙っていていいのだろうか。声を挙げて、自分の意見を言わなければいけない時があるのではないか」と思ったことが、行動を起こしたきっかけです。

 ──これまでも、社会問題をめぐって発信されてきたのですか。

 堤 いいえ。もちろん政治や社会問題に関心はもっていますが、もともとは、自分の意見を表立っていうようなことはしない人間でした。不用意に敵をつくることになりかねませんし、経営者という立場上、事業に影響する可能性もあります。企業が社会問題を提起すること自体、不必要だとさえ考えていました。

 しかし、当時は、皆さんご記憶の通り、テレビや新聞で連日「コロナは死のウイルス」「ワクチンは救世主」とばかり報道されていました。今となっては、ワクチンを接種してもコロナに感染する人は後を絶たず、副反応も強すぎるということを多くの方が体感されている状況ですが、女性看護師が亡くなられたころは、被害に関してはほとんど伝えられることがなく、世の中は、ワクチンを打たない人間は非国民であると言わんばかりの空気に支配されていました。

 そんななかで、医療従事者の方々は、問答無用で接種しなければならないという状況に置かれていたのです。厚労省は、ワクチンについて「安全性が分かっていないことには留意が必要」とは言いつつ、一方で、職場内の同調圧力を高めて、半ば強制的に接種させるという状況をつくり出していました。その結果、前途ある若者を死に至らしめたのであれば、事実上の「殺人」に近い話であり、ただの薬害事件で済む話ではありません。

 亡くなった女性は、接種を嫌がっていたとお聞きしています。当日も、いつも通りに出勤する準備をされていたということで、その無念は到底はかり知れません。同時に、私の家族や、大好きな地元の皆さんの顔が浮かび、同じような被害がもっと出てしまうのではないか、こんなことを黙って見ていて良いのかと思ったのです。

郷土愛から物言う経営者に

 ──地元の方々に対する思いが、堤さんを後押しされたのですね。

 堤 私は、生まれも育ちも八女で、これからもずっと地元で暮らしていたいと思っています。故郷に対しては、とても愛着があるのです。

 とくに、未来を担ってくれる子どもたちに対しては強い思いがあり、十数年にわたって寄付を続けてきましたし、そのことで、毎年、市から表彰をいただいてきたことが、自分の誇りでもあります。そんな私にとって、地元の前途ある若者が受けた非情な仕打ちは、我がこととして受け止めずにはいられませんでしたし、腹立たしくてたまらないのです。

 そもそも、今回のワクチンは、感染予防にはならず、自身の重症化を防ぐためだけに接種するものです。ところが、「高齢者を守るため」という大義名分のもと、国策として若者や子どもにまで接種させようという空気がつくられていきました。私も1児の父親です。大人のなすがままにされてしまう子どもたちのことを思うと、このやり方には到底納得できないというのが、自然な気持ちでした。

 声を出さなければいけない。そのために、自分にできることは何か。そこで考えたのが、これまで自社で培ってきた広告出稿のノウハウを生かして、「子どものワクチン接種は慎重に」という意見広告を、全国の新聞に出稿するということでした。

(つづく)

【取材:近藤将勝、文:泉美木蘭】


<COMPANY INFORMATION>
(株)ゆうネット

代 表:堤 猛
所在地:福岡市中央区天神4-1-17
設 立:2014年8月
資本金:9,000万円
TEL:092-715-6518
URL:https://ykn.jp


<プロフィール>
堤 猛
(つつみ・たけし)
1974年生まれ。福岡県八女市出身。明治大学政治経済学部卒。住宅リフォーム会社勤務を経て(株)ゆうネット設立。2018年皇后(現・上皇后)陛下に拝謁、紺綬褒章を受章。著書に『60分でわかる!建築家とつくる「いい家」づくりの教科書』『「超簡単」60分でわかる!リフォーム・外壁塗装の教科書』。

(後)

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