キャッシュレス決済、22年は額・比率とも過去最高に
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経済産業省は6日、2022年のキャッシュレス決済額が111兆円(前年:95兆円)となり、民間最終消費支出額に占める比率が36.0%になったことを明らかにした。100兆円超えは初めてで、比率も過去最高。携帯電話やタブレット、PCなどを通じて商品やサービスを注文・購入・利用できる仕組みが次々に開発され、利便性が高まっていること、さらにコロナ禍が国民にその利用を促したことが影響したものとみられる。
22年のキャッシュレス決済額の内訳と比率は、クレジットカードが94兆円(30.4%)、コード決済8兆円(QRなど、2.6%)、電子マネー6兆円(2.0%)、デビットカード3兆円(1.0%)となっていた。
いずれも21年よりも利用額・率とも前年に比べ上昇していたが、このうちクレジットカード決済が最も伸びており、利用額で13兆円の増加、利用率で2.7ポイントの上昇となっていた。
トラブルも増加
その一方でトラブルも増えている。(一社)日本クレジット協会によると、22年の不正利用被害額は437億円(前年比32.3%増)、不正利用被害額に占める偽造被害額は1億7,000円(同13.3%増)、番号盗用被害額は412億円(同32.1%増)、その他不正利用被害額は23億円(同37.9%増)となっていた。
インターネットを利用した商品やサービス提供のための仕組みが整備され、キャッシュレス決済が日常化していることがキャッシュレス決済額・率の上昇につながっているが、それを悪用されるケースも増えているわけだ。
経産省では、キャッシュレス決済率を25年までに4割程度にするという目標を掲げて取り組んでおり、それは達成されつつある。しかし、その一方で金融リテラシーの低い、なかでも所得が低い傾向にある若い世代を対象とした、安全・安心な利用のための啓蒙活動なども含めた、セーフティネット構築にもより一層注力すべきだろう。
【田中 直輝】
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