【佐賀県議選】唐津市・玄海町選挙区は立民が議席獲得、共産が議席失う
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統一地方選挙前半戦の佐賀県議会議員選挙が9日、即日開票された。投票率は前回2019年の48.03%を下回る46.58%。
唐津市・玄海町選挙区では、定数6議席に対して9人が立候補した。立候補したのは現職:自民4、公明1、共産1に対して、新人:自民1、立民1、無所属1であった。結果は当選:自民4、公明1、立民1でそのうち自民の当選4人はいずれも現職で、新人は立民1人のみだった。
今回、2位当選をはたした立憲民主党公認の酒井幸盛氏(73)は元鎮西町長、21年の補選では次点で落選したものの、今回は6,809票の2位で当選した。当選を確実にした酒井氏は今回の選挙戦を振り返って、「今回は連合さんに多大なご支援をいただいた。オール与党の政治ではダメだ。立憲民主党の唐津市議とも連携して市民の声を政治に届けたい」と抱負を述べた。
一方で、前回19年の選挙時は6,082票で最下位ながら当選していた共産党の井上祐輔氏(37)は、今回4,693票で70票の差で次点落選した。開票前の取材では今回の選挙戦を振り返って、「(党中央の除名問題について)とくに選挙戦の間、問い合わせを受けたり逆風を感じたりすることはなかった」とし、「最低賃金の引き上げやオール与党の政治状況の変革を、政策を通して有権者に訴えてきた」としていた。今回の惜敗の結果は、前回補選で立民公認として立候補し次点で落選していた酒井氏が再挑戦するにあたり、革新系を支持する票が少なからず酒井氏に流れたものとみられる。今次選挙で共産党は全国各地で議席を大幅に減らしており、党中央の除名問題の影響がなかったかについて分析が必要であろう。
また、唐津市議から鞍替えで今回、県議に初挑戦した井上裕文氏(40)は4,646票で涙を飲んだが、開票前の取材に対して、「唐津市、とくに旧郡部地域は人口流出が深刻で、少子高齢化や子育て支援、若者の雇用確保の問題に具体的に対応する政策について、ぜひ公開討論のようなかたちで政策論争をしたかった。政策論争で地方の政治を活発化させたいという思いをもちながらも、投票率の伸び悩みも含めて、私自身、訴えをどうやって有権者に届けることができるか、もがきながら選挙戦を戦ってきた。反省すべき点もある」としていた。
今回、自民党は現職が4人に対して5人の公認候補となり、激戦が予想された。自民党の現職4人は再選をはたしたが、保守系候補の地盤の動揺を示す結果も見られた。自民候補でもっとも県議としての任期が長い冨田幸樹氏(61)、大場芳博氏(73)の2氏は議席を守ったものの、次点落選の井上祐輔氏との得票差がそれぞれ119票、70票差という辛勝であった。
選挙ならびにメディア関係者の間では今回選挙は激戦と言われ、それなりの注目を集めたが、結果として投票率は伸びなかった。メディアと有権者との関心の乖離や、地方選挙の在り方について多くの反省点を残した選挙であった。
【寺村朋輝】
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