【徹底告発/福岡大・朔学長の裏面史(29)】「『命ファースト』終了」でガンガン稼ぐ!?──令和5年度予算と中長期計画(1)
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新学期がスタートした。福岡大学でも4月1日、入学式が執り行われ、4,820人の新1年生がキャンパスライフを送り始めたところだ。これに先立ち、執行部は令和5年度の予算編成を行っていたが、3月30日の理事会および評議員会にて承認されたもよう。令和4年度の決算見込と向こう10年間の中長期計画も示された。そこに浮き彫りになる「学長のビジョン」とは…。
「命ファースト」終了──
3月22日、福岡大HPの「ニュース」欄に出現したこの文字列に、学内は一時騒然となった。
朔啓二郎学長の名で出された“お知らせ”である。この不穏な文言はいったい何事かと思えば、なんのことはない、丸3年にわたって猛威を振るった新型コロナウイルス感染症がひと段落し、5月8日から季節性インフルエンザと同等の5類に引き下げられることが決まったことを受けて、福岡大としても感染症対策のこれまでのスローガン「命ファースト」を改め「New Campus, New Normal」にする、というお達しである。
そうはいっても、いきなり「『命ファースト』終了」である。それも、救命が第一の使命である医学者からの通達だ。「ヤバい、シャレにならんと、同僚たちの間ではかなりざわつきました」(現役教授)。
朔学長にしてみれば、命ファースト(というスローガン)が終了したのは事実じゃないか、何が悪いと言いたいところだろうが、繰り返すように、当該“お知らせ”は学内回覧用ではなく、HP上で一般公開されたもの。福岡大がそのようなスローガンでやってきたことを知らない学外の人々が、とりわけ附属病院で治療を受けている幾多の患者たちが、このフレーズにドキッとしないわけがない。
歴代ノーベル賞医学者をはるかに超える、研究業績2千超本を掲げてきた偉大な学長様におかれては、下々の心情など慮るほどヒマにあらずということかもしれない。あるいは、こんな瑣末なことを鬼の首をとったように取り上げて、さてはデータ・マックス取材班もネタ切れかと思われる向きもあるやもしれぬ。確かに瑣末なエピソードである。だが、あえてここで報じたのには理由がある。
この「お知らせ」が発出されたころ、朔執行部はちょうど、令和5年度予算および向こう10年間の中長期収支予算の編成・審議を進めていた。実際それは、1週間後の3月30日に開かれた理事会および評議員会で承認されている。取材班はその内容を知る機会を得たのだが、そこから浮き彫りになる「朔学長のビジョン」が、くだんの“お知らせ”のタイトルとどこか響き合うような、そんな印象を抱かせるものだったのである。
(つづく)
【特別取材班】
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