2024年11月22日( 金 )

山口2区補選で大善戦の平岡秀夫候補 次期総選挙での再挑戦の可能性浮上

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 23日に投開票された衆参5補選は、自民党の4勝1敗となったが、「『勝った気がしない』『中身が悪い』 衆参5補選で自民4勝も岸田首相の表情硬く」(24日の日テレニュース)といった報道が目立った。その理由として「接戦が多かったことなど」を挙げつつ、「官邸に高揚感はない」という政府関係者のコメントも紹介した。

 逆に敗北したとは思えない高揚感に選挙事務所が包まれていたのが、山口2区補選に無所属で立候補、自民公認の岸信千世候補に約5,800票差まで迫った平岡秀夫候補だ。NHKが相手候補に当確を打ったのを受けて平岡氏は支持者に挨拶、記者団の取材にも応じたが、「政治との関わりは持ち続ける」と明言して次期総選挙での再挑戦について可能性を示唆した。

平岡秀夫氏

 ──(別の記者)先ほど「政治との関わりは持ち続ける」というお話がありましたが、衆院選山口2区での出馬や岩国市長選も視野に入っているのでしょうか。

 平岡 それは今回応援してくれた方々とも相談しなければならない話ですから、今、この時点で私がどうこういうことは差し控えたいと思います。

 ──(別の記者)周りの人のご意見もあるでしょうが、ご自身のお気持ちとしてはどのような判断なのでしょうか。

 平岡 (コメントを)差し控えたいと思います。(会場から笑い)

 ──(別の記者)補選に出るまでは東京で弁護士活動をされていたわけですけれども、しばらく当面は岩国でやりたいということでしょうか。

 平岡 これから考えます。(会場から笑い)

 ──(別の記者)結論はいつ頃出ますか。

 平岡 分かりません。

 このやりとりを受けて私は、「同じ質問なのですが」と断りつつ、次のような確認の質問をした。

 ──(横田)(山口2区からの出馬など今後の対応について)コメントを控えるということは、年内にも予想される総選挙への出馬の可能性は残すという理解でよろしいのですよね。これだけ善戦されたわけですから。

 平岡 コメントは差し控えさせていただきます。

 ──ということは「(次期総選挙出馬の)可能性は残る」という理解でいいわけですよね。

 平岡 コメントは差し控えます。

 明るい笑顔を浮かべながら平岡氏がこう答えると、再び支援者から大きな笑いが沸き起こった。

 会見後、平岡氏の隣に座って開票状況を見届けていた立憲民主党の篠原孝・衆院議員が「私が代わりに答えます」と言って、次期衆院選に山口2区から平岡氏が出馬し、再び国会議員になる可能性は十分あると解説してくれた。

「これでね、総選挙になった場合、(補選よりも)もっと差が縮まると思います。中国ブロックは柚木衆院議員と津村衆院議員が2人比例復活していますが、山口2区で勝てる可能性もあるし、僅差で負けても比例復活の可能性は十分ある。平岡さんのためにも、解散総選挙を早めにやってもらった方がいい。(支援者の熱)気が抜けないうちに」

平岡秀夫氏    1カ月の超短期決戦で、これだけの僅差の投開票結果になったので、年内にも取沙汰される解散・総選挙では今回以上に時間をかけることができるため、小選挙区での勝算は十分になり、僅差で敗れても比例復活で当選する可能性は十分にある。敗れたとはいえ、平岡候補の選挙事務所が高揚感に満ち溢れ、「次も頼むよ!」と声が飛んだのはこのためだったのだ。

 自民党が衆参議席を独占する「保守王国・山口」で大善戦をした平岡候補の選挙結果は、原発回帰や軍拡に邁進する岸田政権への反発が強いことを物語るもので、野党陣営を勇気づけることになった。

【ジャーナリスト/横田 一】

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