2024年11月22日( 金 )

バイデン大統領もトランプ前大統領もスキャンダルまみれ

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 NetIB-Newsでは、「未来トレンド分析シリーズ」の連載でもお馴染みの国際政治経済学者の浜田和幸氏のメルマガ「浜田和幸の世界最新トレンドとビジネスチャンス」の記事を紹介する。
 今回は、5月12日付の記事を紹介する。

地に落ちたアメリカの民主主義

ホワイトハウス イメージ    アメリカといえば、世界に冠たる「自由と民主主義の大元締め」と目されていたものですが、このところ、その基盤が大きくぐらついてきました。それを象徴するのが、前大統領と現大統領のスキャンダル合戦です。

 この5月9日、ニューヨークの連邦地裁の陪審はトランプ前大統領に500万ドル(約6億8,000万円)の支払いを命じる評決を下しました。その理由は、元雑誌コラムニストの女性がトランプ氏から約30年前に性的被害を受けたとして損害賠償を求める民事訴訟を起こしたからです。

 訴訟を起こしたのはジーン・キャロルさん(79歳)です。1990年代の半ば、ニューヨークの高級百貨店の試着室でトランプ氏から暴行されたと言います。

 そんな以前の話で訴訟できるのか、と思う方も多いでしょう。実は、アメリカは「訴訟大国」です。昨年11月、時効を過ぎた性被害であっても、1年間に限り訴え出ることが認められるという法律がニューヨーク州で施行されました。その結果、キャロルさんは「世界に真実を伝えたい」と民事訴訟を起こし、勝訴したわけです。

 もちろん、トランプ氏は「魔女狩りだ。俺はあんな女性のことなどまったく知らない。少なくとも俺の好みのタイプではない」と全面否定。しかし、以前、トランプ氏はキャロルさんの写真を見せられたときには「これは俺の2度目の妻じゃないか」と、好みのタイプであることを白状していました。

 トランプ氏は大統領時代にもウソの答弁や発言でメディアを賑わわせてきたものです。大手メディアによれば、彼が4年間でついたウソの数は3万573回とのこと。自分に都合の悪いことは、すべて「フェイクニュースだ」と決めつけてしまうのがトランプ流。

 とはいえ、去る3月に、不倫関係の口止め料を不正に処理した疑惑でニューヨーク州のマンハッタン地区検察に起訴された際にも、「違法な司法介入だ」と反論。熱烈なトランプ支持者は「トランプを守れ」と団結し、かえって支持率が上昇しました。

 これまで判明しているだけで12名の女性から性的暴行で訴えられているトランプ氏です。ところが、共和党のなかでは圧倒的な支持を集めており、「相手がバイデンでもハリスでも俺が圧勝して、ホワイトハウスを奪還する」と息巻いています。

 さて、対するバイデン大統領ですが、こちらもスキャンダルでは負けていません。日本では報道されていませんが、元秘書のテラ・リードさんから性的虐待を受けたと訴えられているのです。

 これまた今から30年前の1993年のこと。彼女に言わせると、当時は上院議員だったバイデン氏は自分の上司だったが、その立場を利用して、性的暴行におよんだとのこと。しかも、口封じを狙って、司法省やFBIを使って圧力をかけてきたと言います。

 一時は自殺を考えたというリードさんですが、今は真実を知らしめたいとツイッターでの告発を続けているようですが、載せるたびに削除されている模様。

 それ以外にもバイデン大統領一家は数多くのスキャンダルに見舞われています。

 なかでも、息子のハンターと弟ジム・バイデンの娘のキャロラインの悪行三昧には開いた口が塞がりません。ハンター・バイデンといえば、有名な「ラップトップ問題」を抱えていますが、問題はそれ以外にも山積みです。

 日本では現職のアメリカの大統領一家への忖度があってか、ほとんど話題になっていませんが、アメリカやヨーロッパでは連日、不名誉な報道が相次いでいます。というのも、ハンターの場合には、従妹にあたるキャロラインとの人種差別的な発言がツイッター上に記録されているからです。

 彼はこれまでも高級娼婦との「卑猥な会話」でひんしゅくを買ってきましたが、キャロラインとは身内意識があるせいか、これでもかというほど、本心を露呈しています。キャロラインから「好みの娼婦のタイプ」を尋ねられると、「欧米系の白人が俺のタイプだ。できれば24歳の若い娘を頼む。アジア系はお断りする。黄色い女は見るだけで嫌気がさす」と、好き勝手を述べていました。

 要は、薬物とセックス依存症の極みです。何しろ、亡くなった自分の兄の妻とも関係をもち、それを自慢するという性癖ですから。現時点でも、さまざまな訴訟を抱えているハンターですが、時給845ドルの弁護士を使っては自己正当化を図っているようです。

 また、キャロラインもアルコールと薬物中毒を抱えており、交通事故や警官との障害事件を何度も起こしています。その都度、依存症治療施設に送られているのですが、一向に改善する様子が見られません。

 要は、ハンターもキャロラインもバイデン大統領の「虎の威を借りる狐」ということです。何かあると、「バイデン」の名前を水戸黄門の印籠のように持ち出すことで知られています。

 こんな息子や姪っ子に加え、バイデン大統領の弟ジムはホワイトハウスを悪用した錬金術が問題視されるようになってきました。ホワイトハウスでは有力なインフルエンサーを多数雇用し、特別部隊を編成し、バイデン一家のスキャンダル隠ぺい工作を始めたとのこと。

 自分の身内を正すこともできない大統領が「アメリカの正義を取り戻す」と、再出馬表明をしましたが、アメリカ国民も民主党党員の間でもブーイングが起きています。

 要は、トランプにせよ、バイデンにせよ、年齢もさることながら、その言動はとても一国のトップとしてはふさわしいとは思えません。

 次号「第341回」もどうぞお楽しみに!


著者:浜田和幸
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