国交省 就業者不足解消へ CCUSのレベル別年収公表
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就業者不足が問題となっている建設業界。なかでも若年技能者の減少ぶりは深刻で、処遇改善を通じ就業を促す必要性が声高に指摘されるようになって久しい。国土交通省はその取り組みの一環として「建設キャリアアップシステム(CCUS)」を立ち上げているが、そのCCUSの「処遇改善推進協議会」からこのほど、技能者のレベル別年収が公表された。
技能者の経験に応じ処遇も向上する仕組みの構築を通じて、若い世代がキャリアパスの見通しをもてるようにするのが狙い。同協議会の資料によれば、全国・全分野の年収について、最低水準の技能者「レベル1」で374~501万円、最高水準の「レベル4」で707~877万円という。分野別でのレベル別年収の試算も明らかにされた。
レベル別年収は、公共事業労務費調査において把握された技能者の賃金実態をベースに、各技能者の経験や資格が評価された場合に相当する CCUSレベルに応じ、公共工事設計労務単価の算定と同等に必要な費用を反映。そのうえで、年収額(週休2日を確保した労働日数:234 日)を試算したものだ。
ただし、これはあくまで、技能・経験に応じた賃金支払いについて目指すべき具体的なイメージを業界全体で共有することを通じ、官民一体で賃上げや適正価格での受発注の促進を目指すもの。示された金額に法的拘束力はなく、支払いを義務付けるものではない。
CCUSは技能者の資格、社会保険加入状況、現場の就業履歴などの情報を業界横断的に登録・蓄積する仕組みで、2019年度から運用が開始。今年4月末時点で約116万人の技能者、約22万社の事業者が登録している。
【田中 直輝】
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