福島原発の汚染水の海洋放出は「天地の摂理」に反する
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元駐スイス大使 村田 光平 氏
内外から猛反対されている福島事故に由来する放射性汚染水の海洋放出問題への対応には専門家から次のような致命的問題点が指摘されております。放出されるトリチウム汚染水の問題の本質はその濃度ではなく総排出量です。海に放出されれば希釈されるので放出前の希釈には意味がないのです。
さらに各方面から指摘されている国連海洋法条約85条違反という決定的問題提起がいまだに無視されていることはもはや限界です。
「原発回帰」により脱原発への動きは振り出しに戻されてしまいましたが、「哲学の教えの三原則」(天地の摂理・歴史の法則・老子の天網)を案出して、これを支える「天地の摂理」に立脚して巻き返しを図るべくこれに対処しております。
その原点となる参議院予算委員会公聴会(2012年3月22日)における公述人としての発言を下記追伸でお届けいたします。
「哲学の教えの三原則」の「天地の摂理」が初めて使われました。
不道徳なGX推進法のとん挫、放射性汚染水の海洋放出を含め、脱原発政策の確立を今から予見する所以です。市民社会が深刻に懸念する原発事故の再発を待つことなく天地の摂理により脱原発が実現することを祈るのみです。
追記 参議院予算委員会公聴会(2012年3月22日)における公述人としての発言(ママ)
参議院予算委員会公聴会(2012年3月22日)における公述人としての発言は注目されました。福島事故の教訓が「経済重視から生命重視への 移行」であること、および世界の危機の真因が倫理の欠如であることを指摘したこと、国連倫理サミットの開催につき潘基文国連事務総長より前向きの返書を受領したこと、 また、オバマ大統領の「核のない世界」の支持を含む私の発信活動に対してルース駐日米大使より謝意を伝える書簡が寄せられたことを披露したことなどがその内容でした。特に強調したのは天地の摂理(天の摂理に地を加え哲学であることを示した私の造語)は不道徳から人類と地球を守る、これが悠久の歴史から導き出される歴史の法則であるという点でした。
国際的な支援の動きにも言及しました。
再処理工場の危険性を改めて訴えましたが、欧州の代表的な環境学者、エルンスト・フォン・ワイゼッカー教授から得られた支持に言及しました。
この公聴会で世界が注目していた福島第一4号機の危険性を指摘する機会を得ました。4号機の危険性については細川護熙元総理も重視され野間文学賞受賞のご挨拶で強く訴えてくださいました。
<プロフィール>
村田 光平(むらた みつへい)
1938年東京生まれ。61年東京大学法学部を卒業、外務省入省。フランスで2年語学研。分析課長、中近東第一課長、宮内庁御用掛、在アルジェリア公使、在仏公使、国連局審議官、公正取引委員会官房審議官、在セネガル大使、衆議院渉外部長などを歴任。96年より99年まで駐スイス大使。99年より2011年まで東海学園大学教授。現在、(公財)日本ナショナルトラスト顧問、日本ビジネスインテリジェンス協会顧問、東海学園大学名誉教授、天津科技大学名誉教授。著書に『新しい文明の提唱―未来の世代へ捧げる』(文芸社)、『原子力と日本病』(朝日新聞社)、『現代文明を問う』(日本語・中国語冊子)など。関連記事
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