体感する「軍艦島」が長崎市松が枝町に上陸!~9月17日開館
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デジタルコンテンツで「軍艦島」を再現
世界文化遺産に登録された「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」の構成資産として、見学者がひっきりなしに訪れている通称「軍艦島」こと長崎市端島。上陸見学ツアーは年末まで予約が入っており、海底炭鉱の島の今の姿を実際に見学することは難しい。そのようななか、最新デジタル技術を駆使し、在りし日の「軍艦島」を体感できる施設「軍艦島デジタルミュージアム」が9月17日にオープンする。
「軍艦島デジタルミュージアム」を着想し、昨年末から計画を進めてきたのは、軍艦島上陸見学ツアーを行う(株)軍艦島コンシェルジュのマネージャー・久遠裕子氏。福岡市でデジタルコンテンツ業務を行う(株)ZERO—TEN(榎本二郎 代表取締役CEO)に総合プロデュースを委託した。榎本氏によると、これまでに久遠氏が元島民の協力を得て収集した端島の写真や動画といった貴重な素材を生かすため、あらためてゼロから取材を行っていったという。
館内に設けられたコンテンツで再現されるのは廃墟の島ではなく、人が暮らしていた時代の活気あふれる島だ。昭和30年代の家電ブームに先駆けて電化が進んでいた端島の暮らしを再現した「65号棟の暮らし」。つづく「採炭現場への道」では、秒速8mで地下606.0mまで昇降機で降下、トロッコで海底炭鉱を移動するなど、デジタル映像によって採炭現場までの道を擬似体験することができる。大型壁面マッピング「軍艦島シンフォニー」では、全長約30mのスクリーンに、3,000枚以上の写真、動画資料をもとに当時の空気感を再現し、映し出される。運動会や島の祭りなどの貴重な動画と連動し、島の人々の活気をジオラマに再現する「シマノリズム」は、見ていて飽きない楽しさがある。
館内に展示される石炭による水墨画の「軍艦島」を描いた日本画家・絹谷香菜子氏は、「軍艦島には透き通ったイメージがある。清々しく、気が回っている」と語る。現在に残るさまざまな時代の端島の姿を参考にして描かれた絵は、見方によって時代(印象)が変わる不思議な作品。この絵と同様に、「軍艦島デジタルミュージアム」が再現する「軍艦島」は、当時を知る世代にはノスタルジーを、若い世代には、むしろ新鮮味のあるエネルギッシュな雰囲気を感じさせてくれるのではないだろうか。
「軍艦島デジタルミュージアム」の場所は、「軍艦島」と同じく「明治日本の産業革命遺産」の構成資産であるグラバー邸へと続く、グラバー通り入り口の近く。付近には、来年に世界遺産登録を目指す、「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」の構成資産である国宝・大浦天主堂や、ちゃんぽん発祥の店である「四海楼」などがある長崎市内有数の観光スポット。徒歩3分の常盤ターミナルからは、軍艦島コンシェルジュの上陸ツアー船が発着している。デジタル技術で蘇った「軍艦島」の登場によって、同地区が世界遺産の一大観光地となることも期待される。
【山下 康太】
■INFORMATION
軍艦島デジタルミュージアム
所在地:長崎市松が枝町5-6
TEL:092-895-5000
FAX:095-895-5005
URL:http://gdm.nagasaki.jp開館時間:午前9時~午後8時
入場料:一般1,800円(1,500円)、中高生1,300円(1,000円)、小学生800円(600円)、幼児(3~6歳)500円(300円)※括弧内は団体料金。関連記事
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