塗料の浸透性を高める新技術で、コンクリートに革命を(後)
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日韓ビジネスコンサルタント
劉 明鎬 氏コンクリートがまるで大理石のように大変身
コンクリートがこれほど大量に消費されてきたのも、価格が安いことと、自由に形状をつくれるというそのメリットゆえである。一方、コンクリートは裸のままでは殺風景であるため、上に塗料を塗ったりする。ところが、その塗料から発生する有害物質の問題や、ひび割れによる補修工事の問題など、数々の課題を抱えているのも事実である。
現在、病院やデパート、食品工場、マンションなどの駐車場には、エポキシ樹脂が床面に塗装されている。しかるに、コンクリートに塗料を塗ると、普通は表面から1〜2ミリの深さまでにしか浸透しない。したがって、塗料を深く浸透させることは業界では不可能とされてきたのであるが、韓国のある中小企業の経営者がその常識を覆した。
かれは、塗装をほどこしてから1週間くらい経過すると、紫外線によって塗料の色が褪せたり消えてしまったりすることを突きとめた。この課題を解決するため、10年以上の月日をかけて弛まぬ努力を重ねた結果、ついに10ミリ前後まで深く浸透する塗料を開発することに成功。世界中で特許を取得するようになったのである。
塗料がコンクリートに深く浸透することによって得られるメリットはいろいろあるが、まずはコンクリートの強度が2倍以上強化されることが挙げられる。それだけでなく、塗料であるから建造物にいろいろなカラーを与えることができるし、火にも強く、塩素などの化学物質に対する耐腐食性も大きい。極めつけは、水にぬれても滑らないことだ。
業界ではこのようなことを口にしないが、エポキシ樹脂は火災が発生すると、有毒な物質が発生しがちである。しかし、今回開発された材料は環境に優しく、廃棄物も有害物質もほとんど発生させないのが特徴である。
エポキシ樹脂はすり減っていくから、2、3年ごとに補修工事をほどこす必要があるが、同製品の寿命は半永久的で、10年以上補修工事も要らない優れものである。韓国の官公需を担当する調達庁に、この製品は優秀商品として登録され、官公庁はもちろん、民間の病院、工場、マンション、物流倉庫などからも問い合わせが殺到している。
同社は塗料だけでなく、施行、装置の3点セットを提供するビジネスも展開している。フィルムカメラにデジタルカメラが取って代わったように、床に塗る塗料も今後、同社製品が既存の製品を代替することになると、同社代表取締役は自信たっぷりに述べている。近いうちに日本でのビジネス展開も計画しているようで、興味のある方は(株)データ・マックスにご連絡願いたい。
塗料がコンクリートに深く浸透すれば、その外観はまるで大理石のようになる。色も選べるし、ロゴや絵なども入れられる。同社の新技術は今後、床に塗るエポキシ樹脂やウレタン樹脂の代替としてのみならず、パネルやタイルにも応用できるようになるという。日本での市場規模は、補修工事まで入れるなら年間50兆円は見込まれると、同社の社長は胸を張る。
(了)
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