2024年11月24日( 日 )

93年の信頼と実績で地域とともに歩む、電気・機械分野の総合技術商社

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九州機電(株)

企業の省エネ、生産性向上に寄与する同社の事業

 九州機電(株)は1931年に創業され、90年以上にわたる歴史をもつ総合技術商社である。創業間もなく日立の特約店となり、家電製品以外の日立の製品を幅広く取り扱ってきた。日立グループの資本のもとで着実に成長してきたが、55年に現在の社長である西賀徹氏の父親が入社。その後、企業合併などを経て72年に現在の九州機電となり、日立資本から独立した。企業として自立した経緯を考えると現社長・西賀氏は実質的な2代目社長といえるだろう。

九州機電(株) 社長 西賀徹氏
九州機電(株)
社長 西賀 徹 氏

    同社は北九州と福岡市博多区に拠点を置き、九州および中四国と西日本広域を営業エリアとしている。同社は日立グループを中心に数百社を数える取引先の製品を扱っており、とりわけ工場向け電気機械設備やビル設備関連の販売、施工、メンテナンスを行っている。

 西賀氏は「カーボンニュートラルは、国際的な目標となっています。また、日本企業の生産性向上は喫緊の課題です。当社は、『省エネ製品、省力化商品の普及を通じて地球環境、そして地域の利便性、生産性向上に寄与する』ことを企業使命としています」と語る。

 中小企業において機械化、省力化が進んでいる企業はまだ多くはないなかで、同社はそれぞれの分野に専門のスタッフをそろえ、日立のシステム設計力とロボットやIoTといった最新の技術を駆使することで効果的な省エネ化や自動化システムを幾多の工場に提案してきた。経営理念にある「スピードと対応力」に強い自信をもち、迅速な対応とクライアントの問題解決能力で高い評価を得ている。取引先から「貴方の会社はレスポンスが早いので、いろいろなメーカーがあるなかでも貴方の会社を選びました」といった声をいただく。

 また、同社は独立系技術商社として、ホームセンターや販売店向けに電動工具や産業機器の卸売などの事業も手がけており、さらに2008年9月からは京セラの技術代理店として産業用太陽光発電分野でも販売から設計、施工、メンテナンスまで幅広く行っている。電力の買取単価低下にともない設置案件は減少したが、昨今の電気料金の高騰により自家消費型太陽光発電案件が増加しており、PPAと呼ばれる電力供給の仕組みにも取り組んでいる。

 さまざまな事業を展開している同社だが、技術商社として営業力に強い自信をもち、営業活動の効率化にも積極的に取り組んでいる。勤怠管理や経費管理などの業務はペーパーレス化が実現されており、業務日報も基幹システムに組み込まれている。さらに、3月からの業務日報は勤怠管理と連動させるなど効率化が図られている。営業においては、同社独自のシステムを活用し、案件管理などを効果的に行っている。

北九州市長も評価した結婚祝い金など
福利厚生を充実

九州機電(株) 社長 西賀徹氏    同社は人材育成にも力を注いでおり、西賀氏は「若手の育成に力を入れています。単なるマナーや基本的な話だけではなく、より良い人生を築くためにはどのような考え方や行動が必要なのかを外部講師を招き、1泊2日の研修で学んでいます。また、年に4回新入社員のフォローアップ研修を行っています。このほかにも、指導者養成や幹部候補者向けの研修、日立グループのカリキュラムに基づいた業務スキルの研修にも参加しています。最近はオンラインでの研修が主流となっていますが、以前は福岡市の日立の支社で九州の日立特約店が集まるかたちで行われていました。また、エレベーターなどの分野では茨城県の工場での研修も実施しています」と語る。

 営業から設計施工、メンテナンスまで優秀な人材を育て、きめ細かく迅速に対応できる体制を整えていることが、同社の強みであろう。時代の変化に対応しながら企業の省エネや省力化に取り組む同社だが、企業の成長に貢献する優秀な人材を定着させるには、福利厚生の充実も必要となる。同社は、地場の企業のなかで目を見張る取り組みが評価されており、その1つが社員の結婚に祝金100万円を贈る制度である。さらに子どもをもつ社員には、子どもが満18歳になるまで1人につき毎月2万円の手当を支給しているという。

 この制度の導入について西賀氏は「少子化の改善が進んでいないなかで、我が社として何かできないだろうかと考えた結果、この制度にたどり着きました。結婚に対する価値観はさまざまですが、日本で子どもを産むにはまず結婚が必要だと思います。これまでにグループ会社を含めて14人に支給してきました。また、さらなる少子化対策として今年4月から第2子には月額3万円、第3子以降には月額4万円の手当を支給することにしました」と力強く語る。

 実際にこの制度の導入により結婚や出産をする社員が増えており、これを知った北九州市長・武内和久氏が、ツイッターで「1つのロールモデル的な、思い切った施策ですね」と称賛するなど大きな反響が寄せられている。

 また同社では男性社員にも初めて育児休暇を取得する人が現れた。今後は男性の育休取得率も100%を目指していきたいという。こういった取り組みは、中小企業においてはまだ少数派だ。西賀氏は「当社に関わるすべての人たちの幸せを実現したい」と語ったが、この思いは同社の経営理念である「お客さまの信頼を得ることを喜びとし、スピードと対応力で顧客満足度を高め、 社員および我が社に関わるすべての人々の幸福を実現します。」に一致するもので、同社の本気度が伝わる。

 同社は採用においても積極的であり、新卒と中途採用の両方に力を入れている。中途に関しては通年募集であり、営業と技術分野の人材を求めている。最近は工業高校のインターンシップの受け入れを行うなど、人材の発掘にも力を入れている。近年、新卒採用は学生側優位の売り手市場となっており、優秀な人材が大手に流れるなかで同社は昨年、積極的に初任給を引き上げ、今年に入って全正社員のベースアップを図るなど給与面の改善も進めている。結婚祝い金といい、待遇面の充実は同社の大きな魅力である。

 しかし、「社員を大事にしますが、社員にとって甘い会社には決してしない」と西賀氏は強調した。93年の歴史を持ち日立の特約店としての抜群の安定性を基盤に、時代に対応した多様な事業を展開し、同社にかかわる人を幸福にする取り組みを具体化させる。ここで自身の能力を生かしたいと考える方にとって魅力的な選択肢となるだろう。


<COMPANY INFORMATION> 
代 表:西賀 徹
所在地:北九州市小倉北区西港町92-5
設 立:1972年4月
資本金:5,000万円
TEL:093-591-2333
URL:https://www.kyushu-kiden.co.jp

<RECRUIT> 
募集職種:営業系総合職・技術系総合職・事務職
応募資格:全職種文理問わず  
採用予定:6人
採用実績:2021年度/4人、2022年度/0人
問合せ先:093-591-2333
     saiyo@kyushu-kiden.co.jp
採用担当:経営管理部 下堀恭志郎
          (しもほりきょうしろう)
URL :https://www.kyushu-kiden.co.jp/recruit


<プロフィール> 
西賀 徹
(さいが・とおる)
1967年12月23日、下関生まれ。広島大学経済学部を卒業後、大手ゼネコンで3年半勤め、九州機電(株)に入社。営業の現場を一から経験した後、39歳で現在の代表取締役に就任。趣味は毎朝の筋トレと休日の竹山整備。どちらもやっただけ成果として現れるのがいいという。

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