2024年12月22日( 日 )

アビスパ、九州ダービーで堂々の勝利! 鳥栖0-1福岡

記事を保存する

保存した記事はマイページからいつでも閲覧いただけます。

印刷
お問い合わせ

イメージ    サッカーJ1リーグアビスパ福岡は6日、アウェーの駅前不動産スタジアムでサガン鳥栖と第22節の試合を行った。九州に本拠地を置くクラブ同士の対決、いわゆる「九州ダービー」だ。

 アビスパもサガン鳥栖も、絶対に負けられない九州ダービー。5月に行われたアビスパのホームゲームでは0-0の引き分け。今度こそと意気込むアビスパサポーターたちが大挙して駅前不動産スタジアムに押し寄せ、入場者数は17,799人と、今期のサガン鳥栖ホームゲームでは最多となった。

 アビスパサポーターの歓声、サガン鳥栖サポーターのチャントが響き、スタジアムのボルテージは試合前から高まる一方だ。アビスパサポーターの声の圧力が、サガン鳥栖のそれを上回っているように聞こえたのは、記者の身びいきばかりではなかった。

 試合は、GKからボールをつなぎ、人とボールを動かしながら攻撃を仕掛けるサガン鳥栖に対し、組織的な守備から鋭いカウンターを繰り出すアビスパという、対照的なプレースタイルががっちり組み合った好ゲームとなった。

 サガン鳥栖は、優れたアイデアとテクニックを誇るMF河原創が中盤でゲームをコントロール。河原が繰り出す長短のパスに合わせ、得点力のあるFW小野裕二、切れのあるドリブルを見せるMF堀米勇輝らがアビスパゴールに迫る。

 ゲームが動いたのは前半終了間際だ。43分、鳥栖GK朴一圭からの鋭いカウンター攻撃で鳥栖FW岩崎悠人がシュートを放つが、これは福岡GK村上昌謙がしっかり弾き出す。そしてこのボールを拾ったMF金森健志が前に仕掛け、左サイドに抜け出したFWルキアンへパス。ルキアンはペナルティエリア内で溜めをつくり、中央で構えるFW山岸祐也に折り返す。このボールを山岸が軽くはたいた先には、金森が長駆して走りこんでいた。金森のシュートはGK朴の手を弾き、そのままゴールに吸い込まれた。

 福岡で生まれ育ち、筑陽学園高卒業後にアビスパでプロ入りした金森は、鹿島アントラーズを経て2019年、20年は鳥栖でプレー。21年にアビスパに帰ってきた金森は、まさに九州ダービーを象徴する選手といっていいだろう。持ち前のスピードと運動量、華麗なドリブルテクニックに加え、今シーズンは見事なクロスボールから得点をアシストするなど、さらなる飛躍を続ける金森のゴールに、駅前不動産スタジアムは沸きに沸いた。

 さらに49分にはペナルティエリア内でハンドがあったとして鳥栖にPKを与える判定が出たが、これはVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)の判定で取り消しとなった。

 攻勢をかける鳥栖、守って切り返すアビスパ、という構図は後半も変わらず。88分には鳥栖FW横山歩夢が強烈なシュートを叩き込んで鳥栖サポーターが大歓声を上げたものの、これもVAR判定の結果オフサイドとなり、ゴールは認められず。アビスパが1点を守り切り、うれしいダービー勝利を挙げた。

 試合後の記者会見で、長谷部茂利監督が「これだけの雰囲気を両チームのサポーターがつくってくれた。両チームにとって、よい光景だった」と振り返ったように、この日の駅前不動産スタジアムは最高の雰囲気だった。敗れたサガン鳥栖の選手たち、サガン鳥栖サポーターたちも、すばらしいパフォーマンスで試合を彩った。

 これでアビスパはリーグ戦4連勝となり、順位は8位に上昇。しかも、天皇杯とルヴァンカップもベスト8まで勝ち進んでいるのだ。

 暑い日々が続くが、それ以上に熱いアビスパ福岡の戦いを、ぜひスタジアムで応援してほしい。次のホームゲームは8月12日(土)、横浜FC戦だ。

【深水 央】

関連キーワード

関連記事