2024年11月24日( 日 )

水処理に関する圧倒的な「技術提案力」で過去最高益を更新し、存在感を示す

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ゼオライト(株)

水処理技術を築いて、半世紀 独自の
「技術提案力」と「メンテナンス力」光る

ゼオライト(株) 代表取締役社長 嶋村謙志氏
ゼオライト(株)
代表取締役社長 嶋村 謙志 氏

    1969年11月に創業し、今年8月で54期目を迎えたゼオライト(株)。水処理プラント事業やメンテナンス事業などを柱に、全国にサービス展開する。創業者であり、長年、経営を支え続けた河村恭輔氏が2020年11月に逝去し、長きにわたり夫婦二人三脚で経営の舵取りを行ってきた恭輔氏の妻・勝美氏も今年2月にこの世を旅立った。嶋村謙志氏は16年8月に代表取締役社長に就任し、23年で代表7年目を迎えた。夫妻の築き上げた『良い水創り 人財(ひと)創り』の経営理念を受け継ぎ、ホテルや病院、商業施設など納入実績を着実に積み上げ続けている。

 同社の強みは、「技術提案力」「メンテナンス力」「人財育成力」だ。施設に最適な水処理プラントを設計するうえで最も重要な「技術提案力」は豊富な経験の賜物だ。また、プラントの運用が始まると発生する諸問題を適切に処理する「メンテナンス力」も同社の大きな原動力となっている。自社でメンテナンス技術者を育成することで自社商品に対しての知識や経験が高まり、スピーディーな問題解決につながっており、技術と対応力は業界内でも卓越している。

 「社員がお客さま1人ひとりを大切に、誰もが安心して利用できる水を提供していく」と話す嶋村氏。社員教育や人材育成にも力を入れる同社は23年に、健康経営優良法人にも認定されている。同社の23年5月時点での導入実績は1,360件を超え、1日の水の供給量も11万tを超えている。水処理プラントのエキスパートとして、社員1人ひとりが半世紀にわたる技術の継承に取り組み続け、今日に至っている。

 同社は日本全国のホテルや病院、商業施設などへの納入実績があるが、その多くは井水浄水システムの実績である。天然の地下水を有効活用することで、従来の水道料金と比較して20%~50%の大幅な水道経費削減が期待できるという。水を多く使用する施設などは、深層地下水を利用するシステムで水道代のコストダウン、緊急災害時の給水確保による事業継続(BCP対策)、ひいては地域貢献にもつながってゆくということで、SDGsの観点からも時代にそぐうビジネスモデルといえる。

自社工場
自社工場

    事業のなかでも、高純度で安全な水をつくることができる「逆浸透(RO)膜」を利用した技術が同社ならではの強みであり、RO膜を利用した専用水道事業において、国内№1の実績を誇る。ただ、そんな事業ですら、コロナ禍においては大きな打撃となった。取引先の多くがホテルや商業施設など苦境に立たされた業界であるため、新たな計画の延期や中止などが相次ぎ、20年7月期の売上高は前年と比べると1割ほど落ち込んだ。また、宅配水事業においては、同業他社が台頭し、こちらも伸び悩んだ。とはいえ、そうした状況のなかでも、同社のメンテナンス事業は好調だ。

 「プラントの安定稼働には定期的なメンテナンスが欠かせません。お客さまに喜んでいただいて、毎年契約件数は増加しています。大変ありがたいことです」と嶋村氏は話す。

 そんな同社は、コロナ禍が明けた23年7月期に過去最高の売上高となる38億円を達成した。前年から1割程度積み上げた格好で、毎年着実に売上高を伸ばしている。「コロナで止まっていた事業が徐々に再開し、受注が増えてきました。その結果、最高益を上げることでき、取引先には感謝しかありません」と、嶋村氏は話す。

やる気があればチャレンジできる社風
自発的なスタッフが育つ環境を整える

今年の新入社員との集合写真
今年の新入社員との集合写真

 同社は今春、理系学部の大学卒の男性4人が入社してきた。理系学生にとっては、圧倒的な売り手市場のなかで、同社は4月の時点で、2回の採用面接をこなし、4人の内定を出すことができた。嶋村氏は「大手企業の採用が拡大するなかで、良い採用活動ができたと思っています。4人はすでに現場で生き生きと働いてくれています」と話す。

 23年も同社は5人程度新人採用を計画している。すでに面接は始まっていて、今年も元気な若者が続々と同社の門を叩いてきているという。「中小企業は成長の機会も多く、多様な経験ができるためやりがいがあると思います。当社は年齢など関係なく、やる気があればチャレンジできる環境ですので、目標をもって前向きに挑戦できる若者にきてほしいですね」と嶋村氏。

海外の展示会の様子
海外の展示会の様子

    同社は今年、老朽化した工場の一部の建替えを計画している。また、同社の得意とする「逆浸透(RO)膜」を自動洗浄する機器を開発中とのことで、コロナ明け一転、活発に活動している。嶋村氏に54期目の目標をうかがうと、「コロナも収束し、ようやく海外展開も再開できそうです。これまで当社は中国より資材を購入するなど、中国とは縁が深かったこともあり、中国語を話せるスタッフも迎え入れました。最終的には現地で組み立て工場をつくるところまでいけたらと思っています。そして、10月には、ベトナムでの展示会にも参加したいと思っています」と話してくれた。

 水処理に関する卓越した技術と長年培った経験で、業界内でも存在感を示しているゼオライト。23年は攻めの1年になりそうだ。


<COMPANY INFORMATION> 
代 表:嶋村 謙志
所在地:福岡市博多区那珂5-1-11
設 立:1970年8月
資本金:9,000万円
TEL:092-441-0793
URL:https://www.zeolite.co.jp

<RECRUIT> 
募集職種:総合職
応募資格:大学卒、大学院卒、短大・専門学校卒
採用実績:2022年度/4人
採用予定:3~5人程度
問合せ先:092-441-0793
採用担当:阿部
URL :https://www.zeolite.co.jp/recruit/


<プロフィール> 
嶋村 謙志
(しまむら・けんし)
1974年1月生まれ。福岡県宗像市出身。西日本工業大学工学部機械工学科卒業後、96年4月にゼオライト(株)入社、メンテナンス部に配属される。取締役部長、取締役常務、専務取締役を経て、2014年に取締役副社長に就任。16年に代表取締役社長となり、現在に至る。

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