高品質な商品を追及しリピーター獲得 通販×社会貢献の両輪で存在感を放つ
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(株)FORDELソリューションズ
自由な職場がヒット商品を生み出す
化粧品やサプリメント、衣料品を取り扱う通販事業者の(株)FORDELソリューションズは、2014年にECサイト「美的ラボ」を始動させた。「いつまでも健康で美しくありたい」という人々の加齢による不調や女性特有の悩みを改善すべく、さまざまな商品を自社で開発・販売している。現在の売れ筋は、エイジングケアサプリメント「金のNMN(エヌエムエヌ)」と栄養機能食品ゼリー「meemo(ミーモ)」。ユーザーと同じ目線に立つことでアイデアが生まれ、実際に発売された商品たちは高い顧客満足度を得ている。結果、多数のリピーターを獲得するヒット商品も少なくない。
競合激しい通販業界で生き残るために必要不可欠なのはリピーターの獲得だ。単発の大ヒットを生んだとしても、それが継続しなければ企業として存続していくことは難しい。だからこそ、同社は「女性が満足できるもの」にとことんこだわり、高品質な商品を作り続ける。品質の向上のため、顧客サポートやCRM(顧客管理システム)を内製化している。実際のユーザーからの声を集め、開発に還元することによって商品の改善に迅速に対応することができ、顧客満足度の向上を図ることができる。この消費者と企業とのWin-Winの関係こそが同社の存在意義へとつながっている。
自社の魅力について、代表取締役・堤修二郎氏は「当社は非常に自由な職場です。自分で考えて行動することができる。その分、自分で責任をもつことも必要になりますが、これこそビジネスパーソンとしての『自由』ではないでしょうか」と話す。
また、仕事の進め方についても、縦割りにするも横割りにするも社員の自由だという。堤氏は人材教育のポイントを「任せること」としており、これが結果的に社員1人ひとりの自主性を生み出し、自由なチーム編成、ひいては自由な働き方を可能としている。
急速に変化する広告の世界
景品表示法の指定告示に「ステルスマーケティング(通称:ステマ)」が今年10月から不当表示に追加されるなど、昨今、広告に関する規制は厳しくなっている。これらは「優良誤認(実際のものよりも著しく優良であると示すこと)」を禁止する目的で消費者庁が規制を強化するもので、広告代理店はもちろんのこと、自社商品を宣伝する健康食品企業にとってもその影響が大きい。
もちろん、過剰な効能を謳う「悪しき広告」が減少することは消費者トラブルの発生を未然に防ぐ意味で重要である。しかしその一方で、これまで実績を積み重ねてきた「正しき広告」も同時になくなってしまう可能性があり、まさに「諸刃の剣」だ。
今後の事業展開について、堤氏は「広くアンテナを張り続けてビジネスチャンスを見つけ出し、即行動で一点突破を図りたい」と話す。同社の売れ筋商品である「NMN」も、同社が先んじて開拓した市場だった。このNMNとは、若々しさに関係するサーチュイン遺伝子を活動させるスイッチ機能を持つ生体内物質「NAD」の前駆体。NADは途中の消化器官で破壊されるために直接取り入れることができないが、代わりにNMNを摂取することにより「NAD+」の生成を促すことができる。大手製薬会社もNMNサプリメントの開発を行うなど、現在、高い注目を集めている。同社はこの領域の先発企業として、着実により良い商品を作り続け、大手にも引けを取らない立ち位置をキープし続けている。
福祉業界のあり方を通販の知識で変える
通販業者として事業を展開する一方で、同社は障がい者支援施設「ソライコ」の運営も行っている。この施設は19年9月に那珂川市でオープン。福岡県就労継続支援B型の事業所として、知的・発達障害など、精神障害を持つ人々に向けて働く場を提供しており、同社の通販事業において発生する軽作業や、「ソライコ珈琲店」で販売されるコーヒー豆のハンドピック作業(焙煎した豆のなかから質の悪い豆を手作業で取り出すこと)、パッケージング作業を施設利用者が行っている。
障がい者就労支援施設を運営する業者には利用者1人あたり数千円が国から補助されるものの、その補助金をそのまま利用者の賃金に充てることができない。利用者が生み出す賃金をより大きくすべく、利用者が制作した商品を通販サイトで販売するほか、サブスクリプション制度をつくり、継続的に使ってもらうなどして、利益を積み重ねている。
障がい者向け支援施設の目的は「障害を持つ人々に労働の機会を与え、社会参画を促すこと」。国から支給される補助金の額は「平均工賃」によって決められている。これは1カ月にもらえる利用者の工賃の平均から算出されるもの。たとえば、3名の利用者が1日1,000円の工賃をもらっていたとする。この工賃で1カ月のうち20日間通所した場合、平均工賃は2万円となる。しかし、2人が真面目に通所する一方で1人がたった1日しか通所しなかった場合、その平均工賃は7,000円まで減少してしまうため、補助金の受給金額も大幅に減少する。
施設に求められているのは、教育者となることではなく、「通所したくないと思っている利用者が行きたいと思える施設を作ること」。通所できなかった利用者に対し「なぜ来なかったのだ」と詰め寄るのではなく、「明日は頑張ろうね」と声をかけるのが正しい。前者のような対応をしてしまえば、その利用者は翌日から来なくなってしまう。
堤氏が同施設の職員に伝えているのは「すべての判断を、利用者の明日の通所につなげるために行うこと」。職員と利用者は「先生と生徒」の関係ではなく、「サービスの提供者とお客様」の関係であるというのが同社の考えであり、これを基に、相手やTPOに合わせて、どの対応が適切であるかを常に考えて行動することを共有している。
現在、福岡における同様の施設の平均工賃が約800円というなか、ソライコでは22年9月、工賃1,200円を達成。堤氏の目指す「工賃2,000円」に着実に近づいている。また、今年は「ソライコ那の津BASE」(福岡市東区)がオープン。より多くの障がい者が社会参画の機会が得られるようになった。
通販の世界で培ってきた見識が社会福祉の現状を変える。同社は先駆者としてその道を切り拓いていくだろう。
<COMPANY INFORMATION>
代 表:堤 修二郎
所在地:福岡市中央区天神3-10-1
設 立:2013年11月
資本金:300万円
TEL:092-791-3322
URL:https://fordel.jp<RECRUIT>
募集職種:通販事業部マーケティング担当
応募資格:エクセルスキル必須
採用予定:1人
問合せ先:Shu.tsutsumi@gmail.com
採用担当:堤
<プロフィール>
堤 修二郎(つつみ・しゅうじろう)
1976年生まれ。福岡県出身。豊富なIT業界での経験を生かし、2013年に福岡市中央区大名にて(株)FORDELソリューションズを創業。18年にオフィスを天神に拡張移転。信念は「すぐやる」。何事もチャンスを逃す前に、やりたいと思ったときに行動を起こすことの大切さを日々社員に説いている。関連キーワード
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