2024年12月22日( 日 )

テックアットに異変、福岡・大名「canme」で臨時休業続く

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canme 福岡天神店
canme 福岡天神店

    体験型セレクトショップ「canme」および同ECモールを運営する(株)テックアット(東京都新宿区、延山勇貴社長)に異変が生じている。

 明らかな異変が生じたのは今年7月末。延山氏を除くすべての役員が同時に退任したのだ。さらに、8月1日には福岡市中央区に置いていた本店も東京都新宿区に移転していた。

 D2Cブランドを中心に、多種多様な商品展開を行うリアル店舗とECモールの運営を行う同社は、21年9月に福岡・大名にリアル店舗「福岡天神店」を開業したのをきっかけに、「新宿マルイ店」などへ複数店舗の展開を進めていた。福岡天神店では、パウダールームやシャンプー台、イベントスペースなどを設けることで販売促進に努め、タレントやSNSの活用を強みに、美容品などの出展クライアントへのマーケティングコンサルティングや販売受託を行ってきた。

 「オンラインとオフラインの融合」を標榜し、コンサルティングでは、1年間の契約期間における販売手数料、月会費を収入とし、仕入からブランディング、購買までのトータル支援を行っていた。

 同社は、EC関連企業のほか福岡の不動産会社などから度重なる資金調達を行い、成長が見込まれるベンチャー企業として注目されてきた。

 「バズらせ」を売りにしていた同社らしく、これまで有名ブランドと数々のコラボレーションを展開。今年8月5日には、グローバルファッションブランド「SHEIN」とのコラボショールームを福岡天神店の2階にオープンしていた。

 しかし、同月25日と26日には早速、「棚卸」を理由にコラボショールームが休業。27日を過ぎても再びオープンすることはなく、さらに1階のcanme店舗にも「臨時休業」の案内が貼られる事態となった。31日の時点でも「臨時休業」は続いており、店舗内の商品もなくなっているほか、電話もつながらない状況だ。

【永上 隼人】

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