テックアット、販売委託契約金を狙った計画倒産か
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8月31日に当社記事で異変をお知らせした(株)テックアット(東京都新宿区、延山勇貴代表)だが、被害を知らせる多数の情報が寄せられている。
代表取締役の延山勇貴氏と元取締役の重松裕希氏は連絡が取れない状況だ。
寄せられた情報によると、当初から契約金を狙って、一時的に販売ができているかのように装うなどし顧客を信用させ、計画的に倒産させて契約金を詐取した疑いがある。
被害例:中国での販売可能性を匂わせた販売委託契約
被害企業の1つは今年3月に化粧品の販売委託契約をテックアットと結んだ。契約内容は、canmeの6店舗ならびに中国の販売チャネルを通した中国国内での販売の委託である。また、売上保証として、1年間の売上総額が目標2,500万に達しない場合は、契約金1,000万円のうちのほとんどにあたるコンサル料を返金するという条件もついていた。
やり取りしていたテックアット側担当者は、上記取締役の1人である。
販売開始の3月の時点で契約金1,000万円を振り込んだが、その後の月々の売上報告はルーズであり、また報告があっても売上はほとんどなく、売上の入金も滞るなどの問題が発生していた。
また、中国での販売委託についても、テックアット側から中国の化粧品成分規制が原因で中国での販売が難しくなったと回答があったため、被害者側は契約解約を申し出た。それに対してテックアットは、後日、解約依頼書のひな形をテックアット側が作成して契約者に送付するとし、7月中にテックアットに解約依頼書を返送、8月中にテックアットから返金手続きを行うという日程を示していた。
しかし、担当の取締役とは、8月半ばに連絡が取れなくなったという。
8月から現在までの各店舗とオフィスの状況
テックアットが運営するcanmeは、東京に3店舗、大阪に2店舗、福岡に1店舗があるが、店舗スタッフの証言によると、8月末に入って、東京本社からの指示で、店舗内の商品を東京の本社オフィスに向けて発送させ、商品を集めさせていたという。また、福岡オフィスの方でも8月頭から荷物を引き払い始め、取締役らには会えなくなったという。店舗スタッフには給与の未払いも発生している。
また、販売を偽装し実際には売れていなかった商品については、一部が福岡の元本社オフィス(福岡市中央区大名)にも集められて商品が山積みになっていたという話もある。8月31日までは人がいた模様だが、9月1日に筆者が現地確認したところ、フロアに入ることができなくなっていた。
近隣にあるcanme福岡天神店は、商品はもぬけの殻だが、まだ残っていた店内什器を処分するための業者が撤去に入っていた。
移転後のオフィスである東京都新宿区のオフィスも8月末の時点で閉鎖された模様だ。
【寺村朋輝】
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