【宮田学園異変シリーズ6】宮田学園裁判の行方 入管スペシャリストの見解やいかに
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宮田学園にとっての裁判の重要性
連載1(創業者の理事退任、夫人の実家・料亭「満佐」の動向」)でも振り返ったように、宮田学園は目下、学園運営の未来を左右する重要な裁判を抱えている。
2021年10月に西日本国際教育学院で発生した、職員によるベトナム人留学生拘束事件に関し、出入国在留管理庁は宮田学園に対して新たな留学生の受け入れを5年間認めない処分を下した。これに対し学園側は、処分の取り消しを求める訴訟を福岡地裁に提起。いったん執行停止の仮処分が認められ、学園には事件後も新しい留学生が入学しているが、裁判は係属中である。
もし裁判の結果、国の処分が認められ、宮田学園の主張が退けられれば、同学園は5年間、日本語学校への留学生を新たに受け入れることができなくなり、西日本国際教育学院は立ち行かなくなる。また、姉妹校である専門学校・国際貢献専門大学校は、西日本国際教育学院の卒業生を主な入学生にしている。よって、こちらも学校運営上の危機に直面することになる。
裁判に対する明川氏の見解
これについて当社は、入管のスペシャリスト、DEVNET INTERNATIONALの世界総裁である明川文保氏に見解をうかがった。
当社Net IB-NEWSでもたびたび紹介してきた通り、明川氏は(一社)国際異業種公友会の代表理事を務め、また、近年の出入国在留管理庁設置ならびに入管法改正にも専門家の立場から深くかかわってきた。
明川氏はかつて宮田学園を訪問し、宮田道郎氏ならびに妻の宮田智栄・理事長、荒井昌毅・常務理事とも面談。学園内の様子もつぶさに観察している。
面談時、明川氏は学園側から「日本語学校の生徒数を倍増させたい」という相談を受けた。しかし明川氏は、宮田学園の留学生に対する教育体制への疑問と、すでに当時発生していた数々のトラブルから、生徒数の増加は適切ではないとの見解を示した。しかし、学園側は生徒数の増加ばかりに関心をもち、教育環境の改善や適切な学校運営に対する認識を示さなかったため、明川氏は学校の姿勢に違和感を感じたという。
明川氏はまた、宮田学園の留学生の集め方についても、現地ブローカーを利用した学生確保の活動方法など、多くの問題行為が疑われることを指摘。そのうえで、今後の判決ではそのような点が厳しく考慮される可能性があるとの見解を示した。
留学斡旋ブローカーの存在
日本への留学ビザは、原則として、日本でアルバイトなどの就労をしなくとも学費や生活費に問題がない外国人に限って発給されることになっている。よって、留学希望者はビザ申請時に、経済力を証明する書類として親の年収証明や預金証明などを日本の入管当局に提出する必要がある。
しかし、この制度を逆手にとって、現地では証明書類を偽造するなど、日本への留学資格の不正取得を画策する悪質なブローカーが跋扈している。しかもそれらのブローカーは、留学希望者が日本のどこの学校へ入学するかまで決めているとされる。要するに、ブローカーは日本側の日本語学校にとっては留学生の斡旋屋なのであり、実際、留学生を確保するためにブローカーに手数料を流している日本語学校の存在も明るみに出ている。
日本語学校は建前上、利益を追求しない公益法人のひとつとして、教育にかかわる事業収益に対する課税を免れている。ところが、ブローカーに金を払ってまでも学生を獲得して利益を稼ぐことができるという収益構造ができあがっているのが実態である。そこでは、ブローカーの存在を重宝する日本語学校が存在することによって、留学を希望する学生が学校を選ぶ権利を行使することができず、ブローカーに金を払った学校が学生を確保できるという不健全な現実がつくり出されている。
【寺村朋輝】
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