2024年11月22日( 金 )

福岡・小笹に364世帯の新たなまち(前)

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エンクレストガーデン福岡 イメージパース
エンクレストガーデン福岡 イメージパース

5,300坪の敷地と6,000坪の「庭」のような公園

 敷地面積5,300坪超──福岡市中央区に364戸の大型分譲マンションが誕生する。この広大な敷地は小笹団地の余剰地だったが、プロポーザルを経て2020年に(株)えんホールディングス(福岡市博多区/以下、えんHD)が取得していた。プロポーザルの選定委員会は、同社のプランを「地域住民も利用できる共用スペースを計画し、既存の緑を残して地域の記憶を継承し、コミュニケーションを重要視した意欲的な提案」として評価した。

    マンション名は、「エンクレストガーデン福岡」と付けられた。『LIFE with GREEN』という街全体を生かしたコンセプトで計画された同マンションは、7月8日、ついに販売開始を迎えた。

 エンクレストガーデン福岡の特徴は、やはりその「規模」だろう。広大な敷地の大型マンションならではの充実した共用部は大きな魅力である。福岡市中央区小笹といえば、隣接する福岡市植物園をはじめとして公園が多く、緑豊かな都心にも近い丘陵の閑静な住宅地として知られる。エンクレストガーデン福岡は、福岡市動植物園が徒歩圏内にあるほか、小笹を代表する公園・小笹中央公園と小笹北公園に隣接。6,000坪強の面積を誇る小笹中央公園には、災害時の避難場所となるグラウンドや広場があり、駐車場はないが、エンクレストガーデン福岡とは遊歩道でつながる予定。いつでも気軽に「自宅の庭」のような感覚で利用することが可能だ。

小笹公園口側からのイメージ
小笹公園口側からのイメージ
えんHDの開発企画部長・南昭憲氏
えんHDの開発企画部長・南昭憲氏

    遊歩道は小笹中央公園の管理者・福岡市との調整を行ったうえで設置されるが、えんHDの開発企画部長・南昭憲氏は次のように話す。「遊歩道がなければ公園の南側からしかアクセスできず、『庭のように使う』とは程遠い。敷地と公園をつなぐ遊歩道の設置に協力いただいた福岡市には感謝しています」。

 小笹中央公園はマンションの南側に広がっており、居室からの開けた眺望に大きく貢献してくれる存在でもある。小笹中央公園の大きなグラウンドでは、ボール遊びをすることも可能だ。

地域に開かれたエンクレストの集大成

エグゼ博多コンドミニアム
エグゼ博多コンドミニアム

    福岡で「エンクレスト」といえば、「賃貸マンション」を思い浮かべる人が多いだろう。エンクレストは福岡市博多区と中央区を中心に、これまで120棟以上も供給されてきたのだからそれも当然だ。そんなエンクレストも、ファミリータイプの供給がこれまでなかったわけではない。最初の全戸ファミリータイプ分譲マンションとなったのは、09年竣工の「エンクレスト長丘 翠邱の杜」(全21戸)。その後も、「エンクレスト南福岡 奏の杜」(15年、全75戸)、「エンクレスト パサージュ博多」(18年、全87戸)と数年に1棟ペースで供給を続けてきた。また、エンクレストブランドではないものの、えんHDでは博多駅から徒歩10分圏内で「エグゼ博多コンドミニアム」(15年、134戸)を供給した実績もある。

    通算5棟目のファミリータイプとなるエンクレストガーデン福岡について、同社は「エンクレストの集大成」(南氏)と意気込む。集大成と言わしめるのは、第一に小笹中央公園を含む豊かな緑が大きな理由だ。冒頭で述べた通り、5,300坪超の広大な敷地はプロポーザルで取得した。

 「中央区で、これほどまとまった土地を取得できるチャンスは、またとないでしょう。森と街をつなぐ小笹というエリアの性格も、非常に魅力的でした。南側に小笹中央公園を望む立地で、南向き中心のプランで建てられることも魅力でした」(南氏)と取得に至った経緯について話してくれた。

 また、マンションの開発コンセプトについては、「経営陣、設計チーム、販売チームと何度も議論を進めていくなかで、やはりこの土地のこれまでの経緯などを考え、地域に開かれたものにすべきだろうということで意見が一致しました」(南氏)という。

(つづく)

【永上 隼人】

(後)

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