【福大朔独裁政権崩壊(12)】反省が見られない医学部
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福岡大医学部はどこに向かおうとしているのか。論文数を水増しし、人事を壟断してきた朔啓二郎学長の4年間に、学長選で「NO」を突き付けられた反省はないのだろうか──。
27日の医学部教授会で、小玉正太・医学部長(再生・移植医学講座)の学部長再選が有力になった。候補者は3人いたが、残り2人がなぜか辞退してしまったためだ。福岡大出身の小玉医学部長は、「朔学長の番頭」「朔学長のポチ」と陰で呼ばれている。1人だけの所信表明では、朔学長の「4年間の功績」を絶賛したという。
医学部長候補者は小玉医学部長のほか、川浪大治(内分泌・糖尿病内科学)、宮城由美子(看護学科)の両氏だった。医学部長選挙は、まず候補者を選出するために各教授が2人連記で名前を挙げ、そのうち「上位3人が候補者になる仕組み」になっている。その際は小玉医学部長がトップだったが、これはあくまでも立候補者を上位3人に絞り込むためであり、この時点での順位は暫定的なものに過ぎない。
しかし、この3人に選ばれた小玉氏以外の川浪、宮城両氏は、なぜか候補者となることを辞退してしまった。医学部長を含め、福岡大学の役職者選挙は10月8日に予定されているが、両氏の辞退には9月17日の学長選挙で朔学長が落選してしまったことがトラウマになり、影響しているとの見方がある。
というのは、8日の選挙で小玉医学部長が両氏のいずれか(具体的には川浪氏)に敗れてしまうのではないかとの憶測から、2人に何らかの因果を含めたのかもしれないというのだ。
このような背景があり、医学部の候補者は1人だけとなったのだ。候補者は現学部長一人のため信任投票の形になるが、白票でも「信任」となるため、よほどのことがない限り「再選確実」なのである。
この日の教授会で、1人だけの所信表明をした小玉医学部長は「(朔学長が)残念ながら敗れた」と話したうえで、朔学長は医学部・病院の予算編成にメスを入れ、医学部を尊重する大学にしたと実績を強調。医学部で初めての学長の活躍ぶりを披歴した。途中、朔派の教授から拍手も出たという。
朔学長は医学部長、学長と「学内出世」の階段を駆け上がるなかで、附属病院も含め、医学部内の地歩を固めていった。「主任教授は福大出身者」がモットーで、側近を医学部の要職に就けていった。朔学長は学長選挙に破れ、大学を去る見込みだが、側近を通じて、影響力を残そうとしているのだろうか。
脳神経内科学、救命救急医学などの講座の主任教授も交代するが、小玉医学部長は、朔学長のように「優秀な人材を、とくに九大出身者を書類審査で落とす」という福大優先の路線を踏襲していくのだろうか。
朔体制は「九大出身者は取らない」と決めているのに、九州大に従来どおり候補者推薦の依頼文を送り続けていた。九大医学部からは「福大にはもう、優れた人材を紹介することはできない」と言われていると聞く。
朔学長は学内の挨拶文やご当地グルメ記までも論文として数えていたことから、「私たちの論文まで不正論文のようにいわれる」「すっかり三流以下の医学部になり下がった」「(優秀な人材でも)福大の推薦は信用できないと言われた」などと嘆く医学部教授は少なくない。
福岡大学病院(福岡市城南区)、筑紫病院(筑紫野市)、西新病院(福岡市早良区)の3病院を統括する福岡大学病院長(総病院長)には、朔学長に近い三浦伸一郎教授(心臓・血管内科学講座)の就任も有力視されている。心臓・血管内科学講座の主任教授の前任者は朔学長で、「朔派」と言われている。
【T・T】
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