服部福岡県知事「政経文化セミナー」で熱く語る
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県議会との信頼関係による県政運営
服部誠太郎・福岡県知事は、8日、ホテルニューオータニ博多(福岡市中央区)で「政経文化セミナー」を開催した。会場には約400人の参加者が集まった。
日本医師会名誉会長で服部誠太郎後援会長・横倉義武氏による挨拶が行われ、続いてスクリーンで来賓および後援会関係者が紹介された。
来賓として、福岡県議会議長・香原勝司氏が「議長として知事と同行することが多いが、尊敬と感銘を受けることが多い」と評したうえで「自分が前面に出て、県知事=経営者との意識で取り組まれていることが、全国的に見て福岡県が右肩上がりにある要因である」「知事と県議会との信頼関係のもと、チーム福岡で取り組んでおり、服部県政の下で、県民1人ひとりが実感できる福岡県をつくっていきたい」と挨拶した。
また、(株)QPS研究所代表取締役社長・大西俊輔氏による「九州から挑戦する小型衛星ビジネス」と題する講演が行われた。同社は、2005年に設立され、14年に大西氏が代表に就任してからも、九州に宇宙産業を根付かせるべく、地場企業や行政と連携して取り組んできたことなどが語られた。
県政報告として、服部知事は、これまでの「県政の課題とトピックス」などについて説明した。服部知事は、知事に就任してから現在までを振り返り、「就任して2年7カ月、皆さまに温かい励まし、お力添えをいただき、感謝申し上げたい」とお礼の言葉を述べた。
迅速な災害支援の実施
7月に県南の久留米市田主丸地区やうきは市などを中心に大雨による水害、土砂災害が発生したが、服部知事は、「5人の県民の命が失われるなど甚大な被害を受けた。災害発生直後、香原議長と現地を視察した。お亡くなりになられた方々に、深く哀悼の意を表したい」と述べ「豪雨災害による被害総額は891億円に上った。被災された県民に一日も早く元の生活が戻るよう、また被災した農林漁業者や商工業者の方々が事業継続意欲を失うことなく、事業を再開できるよう県独自の支援をいち早く実施した」と語った。
昨今の原油価格の高騰に対しては「鉄道、バスやタクシーなど公共交通を担う事業者に対して、燃料費の上昇分の2分の1の支援を行っている」などを述べた。
福岡県は、「GDP20兆円のチャレンジ」を掲げているが、「カーボンニュートラルの世界的潮流のなかで、環境と経済成長はこれまで相対するものと捉えられてきたが、グリーンで成長していく環境と経済成長の好循環をつくっていく必要がある」として「半導体のグリーンデバイス、自動車のグリーン製造拠点、そしてグリーン水素の3つの分野で福岡県は、戦略的に展開している」と語った。
また「水素は、そのポテンシャルが高い北九州市の響灘臨海部を、水素の大規模供給拠点として国の指定を受けることを目指している。北九州市、響灘臨海部の事業者とともに福岡県水素拠点化推進協議会を発足させ、8月にオーストラリアのニューサウスウェールズ州に県議会と訪問団を派遣し、水素分野の交流促進について州政府と協議を行った」ことを紹介した。
人材育成について服部知事は、「日本の未来を創っていくのは人であり、半導体など成長が期待される分野で働くテクノロジー人材、あるいは経営感覚に優れた農業人材など経済成長を支える人づくり、また子どもたちの学びや体験の機会の充実を図っていく」とし、「それぞれの夢に向かって失敗を恐れず、チャレンジをする若者を応援し、未来を創っていく人を育てたい」と述べた。また、「わが県も日本も世界も、女性の皆さんの活躍なくして発展はない」と訴え、「高齢者や障がいのある方の就業機会確保などを通じて、県民1人ひとりの輝く人づくりを進めていく」とした。
九州のリーダー県として発展を目指す
スポーツ振興においては、10月に開催された自転車ロードレースの「ツール・ド・九州2023」などに言及したうえで「アビスパ福岡が、ルヴァンカップで優勝し、私も博多駅前での祝勝会に出席したが、数千人におよぶファン、サポーターの熱気に、ステージで喋っていると押される感じがするほどだった。盛り上がってよかった」と振り返った。
近年、福岡県内で学校におけるいじめが問題となっている。服部知事は「いじめの認知件数は年々増加している。子どもの身体・生命・財産に重大な被害が生じるいじめはあってはならない」とし、「今月、いじめの悩みを学校に相談することを迷う子どもあるいは保護者の皆さんを支援したいと学校外の立場から社会福祉士、弁護士などの専門家が相談に応じる福岡県いじめレスキューセンターを開設した」ことを紹介した。
なお、9日の定例記者会見において、服部知事は「いじめは絶対に許されない」ことを改めて強調し、同レスキューセンターの活用を呼び掛けている。
福岡県いじめレスキューセンター
電話092-645-2567
(日曜日から金曜日の午前10時から午後6時まで開設)最後に服部知事は「今回アビスパ福岡がサッカーのリーダーといってよい成績を納めてくれた。我々福岡県も九州のリーダー県としてふさわしい発展をしていかなければならない。皆さま方と手を携えて、これからの福岡県の未来へ一段一段ステップを登っていきた」と語り、予定時間の30分を大幅に超えて、熱く語った県政報告を締めくくった。
【近藤 将勝】
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