2024年12月22日( 日 )

中国、国債1兆元を追加発行

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中国、国債1兆元を追加発行

中国 人民大会堂 イメージ    中央財政は今年第4四半期(10~12月)に2023年度国債として1兆元(約20兆円)の国債を追加発行する計画だ。追加発行した国債はすべて移転支出方式によって地方に分配される予定で、力を集中させて災害発生後の復興・再建や防災・減災・災害救援の弱点補強を支援し、中国の自然災害への対応能力を全体的に向上させる。

 第14期全国人民大会(全人代)常務委員会第6回会議は10月24日、全国人民代表大会常務委員会の国務院による国債追加発行と2023年中央予算調整プランの批准に関する決議を表決・可決し、上記の計画を明らかにした。

 今年に入ってから、中国の複数の地域で集中豪雨、洪水、台風などの災害が多発し、地方の災害後の復興・再建で重い任務を負っている。ここ数年、各種の異常な自然災害が多発・頻発し、中国の防災・減災・災害救援の能力にはより高い要求が出されるようになった。

 財政部(省)の説明によると、資金は次の8つの面で重点的に使用される。(1)災害後の復興・再建(2)重点洪水対策プロジェクト(3)自然災害緊急対応能力の向上プロジェクト(4)その他の重点洪水対策プロジェクト(5)灌漑エリアの建設・改造と重点土壌流出対策プロジェクト(6)都市部の排水・水害予防能力の向上プロジェクト(7)重点自然災害総合対策システム建設プロジェクト(8)東北地域と北京・天津・河北の被災地などにおける高標準の農地建設。

既存住宅ローン22兆元超の金利を引き下げ

 中国人民銀行(中央銀行)貨幣政策司は11月6日に発表したコラム記事において、人民銀行が金融機関に借り手へ利益を還元するよう指導し、既存住宅ローンの金利を引き下げる業務がほぼ完了したことを明らかにした。22兆元(約456兆円)を超える既存住宅ローンの金利が引き下げられ、引き下げ幅の平均が0.73ポイントになり、5,000万世帯の1億5,000万人が恩恵を受け、借り手の支払利息が毎年平均1,600億~1,700億元(約3兆3,231億円~3兆5,300億円)減り、1世帯あたり毎年3200元減るという。

10月のM2は前年同期比10.3%増

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 中国人民銀行(中央銀行)が11月13日に発表したデータによると、今年10月末時点の広義マネーサプライ(M2)残高は前年同期比10.3%増の288兆2,300億元(約5987兆円)となり、成長率は前月から横ばい、前年同期比1.5ポイント低下した。狭義マネーサプライ(M1)残高は同1.9%増、流通現金(M0)は同10.2%増となった。10月に回収した現金は688億元だった。

 10月は人民元建て貸出が前年同期より1,058億元多い7,384億元増となった。部門別に見ると、住宅ローンが346億元減、企業・事業機関への貸出が5,163億元増、非銀行金融機関への貸出が2,088億元増となった。

 光大銀行金融市場部の周茂華アナリストは、「10月のM2は前年同期に比べて安定を保っていた。予想をやや下回ったのは、主に比較の対象となる前年の基数が高かったこと、この月は納税が集中する月であることなどの影響によるものだ。同時に金融市場のムードが徐々に回復して、個人の貯蓄が一定の割合で資産運用商品に向かったなどの要因を考慮する必要があるが、M2の動向は全体として名目国内総生産(GDP)の成長率と釣り合い、目下の金融環境は適度な緩和の状態をキープしている」と述べた。

 また周アナリストは、「新規の個人向け中・長期貸出が2カ月連続増となったことは、不動産市場の販売サイドが安定回復し、個人の不動産市場に対する期待が徐々に改善していることをある程度反映している。予想では、中国経済が回復傾向を維持するのにともなって、不動産市場安定政策の効果が一層顕在化すると見られ、不動産の回復傾向は楽観的だ」と述べた。

 中国銀行研究院の梁斯研究員は、「マクロ政策が経済の内在的原動力の回復を支援・強化する流れのなかで、経済は引き続き常態へと回帰し続け、企業は経済回復の見通しに楽観的な見方を持ち続けるだろう」との見方を示した。


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