こどもの権利被害を考える会を設立~長崎県児相問題
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約1年半の別離を経て
10月2日、長崎県議会で、長崎県の児童福祉の向上を目的とした「こどもの権利被害を考える会」の設立に関する記者会見が行われた。同会は、子どもが児童相談所から一時保護などの行政処分措置を受けた保護者らで構成され、これまでの体験を踏まえて、児童や保護者からの相談の受付、また、県に対し業務内容の改善を働き掛けるといった活動を行っていく。
同会代表の都甲いずみ氏の長男は、昨年3月31日、佐世保市職員によって自宅近くの公園で友だちと遊んでいるところを佐世保こども・女性・障害者支援センター(以下、佐世保児相)へ連れて行かれ、一時保護と判断された。今年8月27日付で、家庭引取りのため、一時保護や施設への委託といった措置が解除されるまで、長男が家族と離ればなれになっていた期間は約1年半。その間、佐世保児相の判断を不適切と考える両親やその親戚、時には医師や児童委員などの支援者も同行し、佐世保児相に対し、抗議や改善を要望してきた。NetIB長崎では、「佐世保児相に突然引き離された親と子」のシリーズタイトルで経緯を伝えてきた(関連リンク参照)。
離島の民間施設で虐待?
都甲氏は9月11日、長男の問題について救いの手を差し延べた山田博司県議(改革21・五島)に、長崎県に福祉政策の見直しを求める要望書を提出。記者会見で、その文書が提示した。その内容は、長男の証言を交えた自身の体験に基づき、児童相談所全体の業務のなかの一事案として、一時保護中の問題点、矛盾点などが列記(前記シリーズで既出のため割愛する)されている。なかでも目を奪われるのは、都甲氏の長男が預けられた民間の小規模住居型施設での出来事だ。
(1) 衣類は下着を除き、ほぼ「おさがり」で枚数も少ない。
(2) 食事は、カップ麺、レトルト食品、買ってきた弁当が多かった。
(3) 「叩いて怒りたいけど、あざでもできたら保護者側から裁判されると困るから」と正座をさせられ長時間の説教を受けていた。
(4) 通信の交流が始まっていたにも関わらず、弟への小学校入学への手紙の発送を施設職員により禁止された。
(5) 「18歳まで家族とは会えないからここにいるしかない」と言われ続けていた。
(6) 大腿骨の疲労骨折をさせる環境下での養育。すべて都甲氏の長男の証言に基づくものだが、事実なら、虐待から子どもを守るためが大義名分であるはずの行政処分措置中に『虐待』が行われていたということになる。しかも、この民間施設については、佐世保児相が都甲夫妻に対して、離島にあるということ以外、その名称や場所について公開しないことや接触しないことを要望しているのだ。
山田県議は、9月16日の長崎県議会本会議の一般質問で、都甲氏の長男の大腿部の疲労骨折に関して県に調査を求め、県側は中村法道知事が対応する旨の答弁を行った。山田県議は、「最初は信じられない部分もあり勉強不足だったが、これはもう、一個人云々の話では済まされない」とコメント。同会の世話人として協力する旨を表明している。
【山下 康太】
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