台湾でデング熱流行
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台湾衛生部は9月末、今年に入り、「デング熱(中国語では『登革熱』)」感染による死者数が42人に達し、過去最悪を記録したと発表した。今年は、昨年の2倍ペースで過去に例を見ない程の感染速度と言われている。台南市では、顔純左副市長が農家を訪れ、水田の水はけや蚊の発生状態などに関して視察を行った。南部を中心に行政が業者に委託し、蚊の駆除を行っている。
デング熱はヤブカ属に属する「蚊」が媒介するウイルスによって発生する感染症で、2日~2週間の潜伏期間のあと、高熱や頭痛、皮膚の発疹などの症状が出る。人から人へは感染しないとされ、多くが1週間程度で回復するものの、死に至るケースもある。有効な治療法やワクチンがなく、投薬や点滴などで「身体の治癒力を高める」という対症療法しかない。湿度が高く、蚊が多く生息しやすい東南アジアやインドなどの地域で多く感染が見られる。とくに、インドではデング熱患者への病床が足りず社会問題化している。日本でも、東南アジア旅行からの帰国者などに「デング熱」症状はないか、チェック活動の啓発に務めており、福岡や成田などの国際線空港には帰国時に、「発熱のような症状がある場合は、申し出るように」といった警告がなされている。
台湾・高雄では昨年末、デング熱の流行に端を発し、「デング熱の流行は(陳菊)市長が対策を怠った責任。市長は速やかに辞任せよ」と、辞任要求が出された例まである。台湾での感染者数は、毎年1万5,000人近くにのぼり、今年は9月時点で昨年の数字を上回っている。台湾メディア関係者は「雨が多く、気温が高い年にはデング熱が流行する傾向が高い。今年は若干だが例年よりも『高気温多湿』が続いたことで蚊が大量発生し、感染者数の増加に繋がったのでは」と話している。
【杉本 尚丈】
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