韓国経済ウォッチ~携帯3社で加入者急増のデータ中心料金制
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日韓ビジネスコンサルタント 劉明鎬(在日経歴20年)
スマホの登場によって、携帯電話の利用法に変化が訪れている。従来は音声通話が中心であったが、若者を中心に、音声通話よりも、LINE、カカオなどのチャットを使ってコミュニケーションする傾向が増えている。それだけでなく、スマホを使ってドラマを見たり、スポーツ観戦をしたり、ゲームを楽しんだりするような、通話よりもデータ通信へと軸足が移動しつつある。
通話は相手がどのような状況に置かれているかもわからず、電話をかけることになるので、場合によっては相手に迷惑になることもある。しかし、チャットは自分の都合のいい時に、メッセージを見て、自分の都合のいい時に返事を返せば良い。相手の都合を重視したコミュニケーション手段だ。
それだけでなく、チャットは記録を残すことができる点、それから、複数の人に、同じ内容を伝えなければならない時などは、とても便利である。何よりも、外国にいる相手にも料金のことを気にせずに、やり取りができる点などが受けて、チャットの利用が増加している。
このような傾向をいち早くキャッチした韓国の携帯電話会社3社は、今年の4月から5月にかけて、「データ中心料金制」を市場に導入した。その後、SKテレコムは480万名の加入者を、KTは240万名の加入者を、それからLGユープラスは207万名の加入者を確保し、「データ中心料金制」の加入者数の合計は927万名にもなっている。
「データ中心料金制」というのは、音声通話とショートメールは無料で、利用者のデータの使用量によって料金が決まる料金制度だ。もちろん、料金設定は一律ではない。固定電話の通話も携帯電話の通話も同時に無料にした携帯電話会社もあるが、携帯電話の通話だけに限定して無料にした会社もある。いずれにしても通話は無料なので、自分が普段どれほどデータを使っているかによって、料金を選べるように、携帯電話会社はいくつかの料金プランを用意している。
「データ中心料金制」の加入者は、9月に900万を超えて、10月中に1,000万名を上回ることが予想されている。一方、政府の統計によると、携帯電話利用者の1人当たり月平均データ使用量は、2012年1月には470MBであったが、今年の7月には2,700MBになっており、データ使用量は何と6倍近くも増加している。未来科学創造部の関係者によると、2014年4月に韓国ではLTEサービスが開始されたが、このLTEサービスの導入以降データ使用量は急激に増加しつづけているという。携帯電話は、音声通話の時代からデータ通信の時代に変わりつつある。
韓国はインターネット環境が整っており、地下鉄のなかでも携帯電話で、インターネット検索をしたり、野球中継を楽しんだり、音楽を聴いたりしている。携帯電話を使っていない人を探すのが難しいほど、携帯電話のデータ利用は日常化されている。したがって、今後データ使用量はますます増加することが予想される。このような時代に備えてSKテレコムでは、月1万5千ウォンの定額料金で10GBのデータ利用が可能な携帯無線モデムを発売している。
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