福岡県議会がアスリート盗撮を「性暴力」と規定する条例改正を目指す
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福岡県議会は、2月議会に福岡県性暴力根絶条例の改正を行い、スポーツ施設などで同意なく、性的な視点でアスリートなどを撮影する行為を「性暴力」と定義し、施設側に広報啓発を求める内容を盛り込む方向にあることが分かった。
改正案は、福岡県議会の政策条例検討会議(委員長・浦伊三夫県議)において検討されてきたもので、会議は、自民党県議団・民主県政県議団・公明党・新政会の主要4会派から、2名から3名の委員が加わり、会合を行ってきた。
11日から24日までパブリックコメント(意見公募)を行い、2月議会での成立を目指している。
同条例は、2019年に性暴力の根絶と被害者支援などを目的として議員提案で成立した。児童への性犯罪で服役した元受刑者が県内に住む場合、住所や犯罪歴などの届け出を義務付けるといった規定が盛り込まれている。
今回の条例改正にアスリートなどを撮影する行為が盛り込まれたのは、インターネット上で、ユニフォームを着た女性選手の写真や映像が拡散されるだけでなく、卑わいな言葉を加えて投稿する行為などがあり、深刻な状況にある。その被害は成人だけでなく、中高生にもおよんでおり、「スポーツ立県福岡」を掲げながら、大きな損失になっている(複数の県議会関係者)という実態がある。
昨年成立した「性的姿態撮影処罰法」は、尻や胸など性的にみられる身体、下着、性的行為を正当な理由なく、無断で撮影することを禁じたが、制服や水着、ユニフォームを着た状態について、対象に盛り込まれず、スポーツ関係者などから見直しを求める声が出ている。
県条例改正案において、学校やスポーツ施設、公共交通機関など不特定多数の人が利用したり、出入りしたりする場所で「性的な意図をもって同意を得ることなく、かつ正当な理由なく、人の姿や部位などを撮影する行為」を、着衣の有無や撮影した人の認識にかかわらず「性暴力」と定めた。
データ・マックスの取材に対し、主要会派のある県議は「性暴力・被害に対して女性が気を付けましょうと行政などが啓発しているが、本来、男性に対して、倫理観をもって盗撮などをしないように訴えていくべき」と語った。
「性暴力」と規定することによって、大会運営者などが、撮影行為に警告を発するなど未然に盗撮を防ぐ抑止効果が期待されており、全国の条例や法改正にも影響を与えるとみられる。
【近藤 将勝】
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