2024年11月26日( 火 )

問われているのは国民の見識

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 NetIB-NEWSでは、政治経済学者の植草一秀氏のメルマガ記事を抜粋して紹介する。今回は、政府の原発推進方針に対し、志賀原発を例に挙げて批判する1月18日付の記事を紹介する。

1月1日に石川県で発生した大地震。最大震度は7、マグニチュードは7.6。地震の揺れの強さを示す最大加速度は2828ガルを観測した。最大震度、最大加速度を観測したのはいずれも石川県志賀町。地震計は志賀町領家(りょうけ)に設置されている。志賀町では1月6日午後11時過ぎにも震度6弱の揺れを観測した。

志賀町では1月16日午後6時24分にも震度5弱の揺れを観測したが、この地震の震源地は志賀町だった。志賀町には北陸電力志賀原子力発電所が存在する。志賀原子力発電所敷地内に断層が存在し、この断層が活断層であるとの疑いがもたれている。

志賀原発の問題については2023年5月6日付ブログ記事「地震で廃炉避けられぬ志賀原発」(https://x.gd/RXYUQ)、メルマガ記事「1892年に志賀原発至近で大地震」、2023年5月11日付ブログ記事「原発稼働は人道に対する罪」(https://x.gd/7ZRSm)、メルマガ記事「プレート笑う者はプレートに泣く」にも記述してきた。

2016年の有識者会合の評価書は志賀原発敷地内の一部の断層を活断層と解釈するのが「合理的」とした。原発は活断層の上に立地できない。従って、志賀原発は廃炉が確実な状況にあった。

今回の能登半島地震では輪島市近辺で4mの地盤隆起が観測されている。今回の地震は逆断層型地震で水平方向に力が加わり断層が上方と下方にずれた。上方にずれた側で4mの隆起が生じた。反対側の断層は逆に沈下したと見られる。

原発直下で断層のずれが生じれば原発は木っ端みじんに破壊される。従って、活断層の上に原発を立地することは許されない。

ところが、志賀原発敷地内の断層が活断層であるとの判断が覆された。原子力規制委員会が2023年3月15日の定例会合で、志賀原発2号機直下を走る複数の断層が「活断層ではない」とする審査チーム結論を了承したのである。

この判断変更を受けて志賀原発の再稼働が検討される段階に移行した。背後にあるのは岸田内閣の原発全面推進の方針。岸田首相は2022年末に原発全面稼働の方針を明示した。亡国の首相、日本滅亡を主導する首相と言わざるを得ない。

※続きは1月18日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」「問われているのは国民の見識」で。


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植草一秀の『知られざる真実』

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