クルーズ船除いた九州の訪日客、23年は19年を上回る
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九州運輸局が22日に発表した2023年の九州への外国人入国者数によると、同年のクルーズ船を除いた外国人の入国者数(速報値)は311万5,075人と、19年の310万7,270人(確定値)をわずかながら上回った(19年比0.3%増)。19年は8月以降、韓国人訪日客が激減し、九州ではとくにそれが顕著であったとはいえ、23年はひとまずコロナ禍からの一定の回復をはたしたかたちとなった。
コロナ以前のピークは18年の362万3,672人(確定値)であり、今後はこの水準に戻れるかが焦点となるだろう。単月で見ると、23年12月のクルーズ船を除いた入国者数(速報値)は34万1,623人と23年で最多であり、また10月から12月まで3カ月連続で18年同期の実績を上回っており、全体の数字で見ると好調と言えなくもない。
ただ、九州域内の空港・港湾別に見ると回復のペースにはばらつきが見られる。回復がもっとも早かったのは福岡空港で、5月以降は18年と19年各月の実績を上回っている。熊本空港が9月以降、同じく18年と19年各月の実績を上回っており、TSMCの進出を受けた台湾系航空会社の新規路線就航などが寄与したとみられる。今後はほかの空港の回復が待たれる。また、コロナ以前は多くのクルーズ船が九州各地に寄港しており、こちらを回復させることも課題だ。
23年1~10月のクルーズ船を含めた九州での外国人入国者数(確定値)は249万571人で、韓国が152万3,817人と6割弱を占めた。続いて台湾、香港と続く。19年同期比でもっとも伸び率の高かったのが4位のタイ(213.9%増)で、22年のLCC就航の効果と思われる。中国は徐々に回復はしてきているものの、順位を3つ落とし5位となった。今後のインバウンド拡大には中国人訪日旅行の本格的な回復が欠かせない。
【茅野 雅弘】
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