政治刷新を妨害する真犯人
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NetIB-NEWSでは、政治経済学者の植草一秀氏のメルマガ記事を抜粋して紹介する。今回は、低投票率、野党分断が政治の刷新のための足枷となっていると指摘した1月24日付の記事を紹介する。
1月21日に投開票された八王子市長選挙で自民党と公明党が推薦した新人の初宿(しやけ)和夫氏が初当選した。
初宿和夫 59 無新 63,838
滝田泰彦 41 無新 57,193
両角穣 61 無新 44,913
服部貴之 40 無新 10,292
かまたたかゆき58 無新 2,276
投票率は38.66%だった。当選した初宿氏は元都局長で自民、公明が推薦し、日本維新の会の地方組織・東京維新の会が支援した。次点となった滝田氏は立憲民主、共産、社民、八王子・生活者ネットワークが支持した。滝田氏と両角氏は小池百合子東京都知事が特別顧問を務める都民ファーストの会の元都議。
八王子市は自民党の萩生田光一前政調会長の地盤で「帝国」とも呼ばれる保守の牙城。しかし、自公が推薦した初宿氏は薄氷の勝利になった。次点の滝田氏と第3位になった両角氏の得票合計は10万2,106票で初宿氏の6万3,838票を大きく上回った。
八王子市といえば2022年7月参院選で萩生田議員が参院選候補の生稲晃子候補の統一協会施設での集会を主導したといわれる地。萩生田氏と統一協会との深いつながりが指摘された。また、裏金事件などを背景に岸田内閣支持率、自民党支持率が暴落している局面での選挙は野党にとって絶好のタイミングでのものだった。
こうした状況下にありながら、野党は八王子市長選での勝利をつかむことができなかった。12月24日に投開票された武蔵野市長選挙でも、自公が推薦した無所属・新人の小美濃安弘氏が立憲民主党、共産党、れいわ新選組、社民党、地域政党の生活者ネットワーク、政治団体の緑の党グリーンズジャパンが支持した無所属・新人の笹岡裕子氏を僅差で打ち破って当選した。武蔵野市長選の投票率は44.77%だった。
岸田内閣支持率は記録的低水準に暴落している。自民党のパー券裏金事件に対しても抜本的対応が取られていない。1月1日に発生した能登半島地震に対する対応も著しく遅れた。時事通信社の1月世論調査での岸田内閣支持率は18.6%、不支持率は54.0%になった。また、自民党支持率14.6%は、1960年の調査開始以来、自民党が野党であった時代を除き、過去最低水準を記録した。
自公推薦候補が相次いで落選すれば岸田内閣退陣が促進され、次期衆院総選挙での政権交代実現の気運も拡大する。ところが、この情勢下で自公候補が武蔵野市、八王子市で相次いで勝利した。岸田内閣退陣への圧力が弱まってしまう。また、次期衆院総選挙を通じての政権交代実現の見通しも立たない状況に転じている。
日本政治刷新の見通しが立たない。
※続きは1月24日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」「政治刷新を妨害する真犯人」で。
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