2024年11月23日( 土 )

環太平洋火山帯で相次ぐ地震と火山の噴火:北朝鮮の白頭山と日本の富士山も要警戒!(後)

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国際未来科学研究所
代表 浜田 和幸

2026年人類滅亡説

荒れる気候 イメージ    そんな中、世界の気象学者や環境問題の専門家からは「2026年人類滅亡説」が唱えられるようになってきました。人類の生存が問われる深刻な環境破壊と食糧危機が忍び寄っていることは間違いなさそうです。何しろ、世界各国の1万人以上の気候変動を研究する専門家が口をそろえて「このままでは人類は滅亡する」との警告を発しているのですから。

 実は、温暖化の影響で氷が溶け出している北極海の海底ではメタンガスが噴出していますが、海中で溶けることなく、大気中に放出されているのです。その影響で北米でもロシアでも森林火災や泥炭地の崩壊が相次ぐようになりました。

 長引くウクライナでの戦争が米ロの核兵器の応酬になりかねない事態も憂慮されますが、地球全体が人も魚も動物も住めない環境に陥ってきていることも大いに気になります。なぜなら、毎日、200種類の植物、鳥、動物、魚、昆虫などが絶滅しているからです。すでに2万6,000種類の生物が地上から姿を消してしまいました。これだけ生物圏(地表、水、大気)が汚染され、破壊されてしまえば、人類だけが生き残ることはあり得ない話でしょう。

富士山噴火の可能性もある

 さて、日本では富士山周辺を震源とする大きな地震も相次いでいます。あたかも、「俺のことを忘れるなよ!」と富士山が警告を発しているようにも思えるほどです。日本には111もの活火山があり、全世界の活火山の10%が日本に集中していることを忘れることはできません。

 なかでも富士山は前回の宝永噴火から300年が過ぎており、元火山噴火予知連絡会の藤井会長に言わせれば「富士山が300年間も噴火しないのは異例だ。地震活動や地殻変動を注意深く観測しているが、異変を察知してから噴火が始まるまでの時間は数時間だろう」と、危機感を露わにしています。

 日本人の多くが能登半島地震に関心を奪われているような状況ですが、火山の噴火への備えを忘れてはなりません。何しろ、前回の1707年と同じ規模で富士山が噴火したとすれば、「都心の新宿区では火山灰が10㎝は降り積もる」と内閣府では予測しているからです。

 「たった10㎝か」とバカにしてはなりません。なぜなら、気象庁の説明によれば、1ミリ積もれば、道路は完全に覆われ、視界不良になるため外出は危険になるとのこと。

 10㎝はその100倍です。道路のみならず、鉄道も飛行機も運航はできなくなります。

 要は、物流はストップし、医療体制も危機的状況に直面することが避けられません。しかも、火山灰は3ミリで停電を引き起こし、2ミリで上下水道の供給を寸断してしまう恐れが濃厚です。実際、この数年、河口湖の水が減少し、富士宮市では地下水があふれ出るといった現象も起きています。しかも、富士山の登山道の1つである滝沢林道には割れ目が走る現象まで確認されました。

 思い起こせば、東日本大震災の4日後、静岡県東部ではM6.4の大地震が発生。富士市では震度6強が観測され、富士山直下の断層が1mほど上下に動いたのです。断層が動くということは、その割れ目からマグマが噴出する可能性が高いということ。噴火が起きなかったのは奇跡と言われています。

 あれから10年以上が経ちました。昨年、南太平洋のニューカレドニアではM7.7の巨大地震が発生しました。懸念されるのは、このニューカレドニアも日本列島も先に述べた「環太平洋火山帯」の一部ということです。すなわち、この火山帯の噴火と地震は連動しているのです。300年間噴火していない富士山ですが、専門家の間では「いつ大噴火してもおかしくない」と言われています。

 こうした間近に迫りくる自然大害に対しては、自己防衛するしかありません。とくに、首都圏では移動が困難になり、大規模な停電も起きるわけですから、食料や水、医療品の備えは欠かせないでしょう。政府の試算では南海トラフ地震と富士山噴火によって34万人が命を失うとのこと。決して他人事ではありません。

(了)

浜田 和幸(はまだ・かずゆき)
    国際未来科学研究所主宰。国際政治経済学者。東京外国語大学中国科卒。米ジョージ・ワシントン大学政治学博士。新日本製鐵、米戦略国際問題研究所、米議会調査局などを経て、現職。2010年7月、参議院議員選挙・鳥取選挙区で初当選をはたした。11年6月、自民党を離党し無所属で総務大臣政務官に就任し、震災復興に尽力。外務大臣政務官、東日本大震災復興対策本部員も務めた。近著に『イーロン・マスク 次の標的「IoBビジネス」とは何か』、『世界のトップを操る"ディープレディ"たち!』。

(中)

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