恥ずかしい日本の避難所レベル
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NetIB-NEWSでは、政治経済学者の植草一秀氏のメルマガ記事を抜粋して紹介する。今回は、能登半島地震を受けての政治・自治体の被災対応の遅れと避難所の不十分さを指摘した2月1日付の記事を紹介する。
1月1日に発生した令和六年能登半島地震から1カ月の時間が経過した。これまでに240名の死者が確認されている。安否不明者も15名いる。いまも1万5,000人以上の被災者が避難生活を強いられている。
2次避難を希望せずに被災地にとどまる人もいるが、2次避難を希望しながら、希望を満たす2次避難所が提供されず、被災地にとどまっている人も多数存在する。被災地から離れた場所に2次避難する場合、3食の提供が基本とされるが、一部の2次避難所では食事が提供されない。食費が自己負担になることから2次避難を選択できない人も多い。
また、車で避難する場合、駐車スペースが必要不可欠になるが、駐車料金が自己負担になるために車での避難ができないなどの現実がある。被災者に寄り添う行政対応ができていない。食事は行政が弁当の手配を行えば解決するもの。駐車スペースも行政が対応すれば解決する。
問題を解決する意思がないから問題が解決されないだけだ。地震が発生してからの72時間が人命救出の可否を分ける。地震発生で陸路が寸断された。人命救助を実行するには空路で自衛隊や消防のマンパワーを現場に投入するしかない。
地震発生時に東京都に帰省していた石川県の馳浩知事は当日に石川県に帰県するために自衛隊ヘリを活用した。自分のためにはスピード感のある対応を示したが、被災者の命を救うためにはスピード感のある対応を示さなかった。「初動の遅れ」は致命的だった。
自衛隊人力を空路から一気に大量投入すべきだった。陸路が遮断されているのであるから空路を活用するしかない。しかし、この空路の活用が決定的に遅れた。
地震が発生したのは1年で最も寒さが厳しい時期。被災者は生命の危機に直面した。震度5を超える余震が多発した。
被災者の命と健康を守るには被災地から離れた場所で、寝具、食事、トイレが確実に提供される必要がある。被災者が避難した避難所はキャパシティーを大幅に超える被災者でごった返した。
帰省中の被災者が多数存在したとの事情はあるが、そもそも、日本の災害避難体制があまりにも貧困なのだ。睡眠を取るためのスペース、寝具、食事、トイレの基本インフラがまったく確保されていない。大きな災害が発生した際に避難が行われる。いわば「有事」であるから、被災者が厳しい環境に耐え忍ぶのは当たり前。
※続きは2月1日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」「恥ずかしい日本の避難所レベル」で。
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