中国・今年の春節の過ごし方は?
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国連総会は現地時間2023年12月22日、中国の春節(旧正月)を国連の祝日に指定する決議を全会一致で採択した。国連の祝日に指定されると、その日に会議などの開催をなるべく避けることになる。この決定に、「国連の中華文化・伝統に対するリスペクトで、この重要な伝統的祝日が認められたということ」といった分析も見られる。
春節が国連の祝日に指定
中国の戴兵・国連次席大使は、春節が国連の祝日に指定されることが決まった後、「中国が春節を国連の祝日にするよう働きかけたのは、グローバル文明イニシアティブを実行し、世界の文明多様性を尊重するよう提唱する実際の行動だ。春節が正式に国連の祝日となったことは、中華文明の発信力と影響力を反映しており、今後、世界のさまざまな文明の交流と相互参考が力強く促進され、国連が提唱する多元性と包摂的文化価値理念が積極的に体現されることになるだろう。春節を国連の祝日にするという決議の採択を、国連加盟国と国連事務局の職員は熱烈に歓迎し、積極的に支持している」とコメントした。
中国の春節は、一家団欒を楽しみ、旧年に別れを告げて新年を迎える伝統的な祝日となる。春節は世界中で受け入れられており、世界人口の約5分の1がさまざまなかたちで春節を祝っている。また、世界の多くの国で、春節に合わせて祝日が設定されている。
「家でご馳走」が一番人気
中国人にとって春節(旧正月、2024年は2月10日)は何を意味しているのだろうか?まず挙げられるのは「セレモニー感」で、中国人にとって最も重要な祝祭日となる春節にしかない独特の伝統的な雰囲気がある。また、春節は、一家団欒の時ともなり、それに合わせた連休期間中は、親戚や家族、友人たちと集まって、賑やかでアットホームな雰囲気を存分に楽しむことができる。さらに、忙しい毎日を送っている人にとって春節は、1年に一度の体を休め、リフレッシュする機会ともなる。ソーシャルメディアが普及し、若い世代が存在感を高めているのを背景に、18~35歳の若者が現在、「春節」関連の主な意思決定者となっている。市場研究機関・凱度が発表した「2024春節若者ソーシャルメディア動向洞察報告」によると、若者の春節に対する期待は高まっている。今年の春節について、若者の48%が「今いるところで年越しする予定」と答えている。つまり、多くの若者は自宅で春節を過ごし、帰省する予定はないということだ。一方、回答者の33%は「帰省して年越しする予定」と答えたほか、若者の18%が「旅行先で年越しする予定」と答えた。さらに、若者の36%は、「春節期間中、旅行関連の支出が増えそう」と答えた。
「春節に一番したいことは何か?」という質問で、一番多い回答は、「自宅で飲み食いして、自分や家族をねぎらいたい」だった。また、「おいしいものに目がない」中国人にとっては、他の地域のグルメや特産品を家族に味わってもらったり、生まれ故郷ならではのグルメを食べたりするというのも欠かせない。さらに、新春を祝うランタンフェスティバルや縁日、定期市、外食などに出かけたりして、賑やかで、おめでたいムードを楽しむというのも恒例行事であるほか、短距離旅行や長距離旅行を計画するというのもバケーションの「正しい過ごし方」の1つとなっている。
若者が今年の春節に合わせて各種活動を計画している理由のうち、「前の年に別れを告げて新しい年を迎え、幸先の良いスタートを切るため」が最も多かった(58%)。以下、「目新しいことを体験して良い思い出をつくるため」(55%)、「身心の健康維持」(54%)、「一家団欒」(47%)と続いた。
南の若者は北へ、北の若者は南へ
移動して「年越し」が人気に北方エリアの都市である黒竜江省哈爾浜(ハルビン)は元旦から大人気の旅行先となっており、その人気は春節に合わせた8連休まで続きそうだ。また、北方エリアの旅行客の間では、「避寒地」として、南方エリアの三亜や昆明が人気となっている。
旅行サイト・携程網が発表した「2024春節旅行市場予測報告」によると、春節に合わせた8連休中(2月10日から17日まで)は、今年に入って初の旅行ピークになるとみられている。8連休中の国内旅行や海外旅行、インバウンドなどの予約はいずれも大幅増となっている。
今年は、南方エリアの旅行客の間では北方エリアのウィンタースポーツや氷雪観光が人気となっているのに対して、北方エリアの旅行客の間では南方エリアの温泉旅行が人気となっており、春節期間中のそれらの予約が前年同期比で7倍以上増となっていることは注目に値する。また東南アジアや香港・澳門(マカオ)特別行政区、オーストラリア、ニュージーランドなども人気のアウトバウンド旅行先となっている。
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