2024年11月21日( 木 )

【耳より】お役所仕事の表れ?! 国交省による引越予約状況のアナウンス

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 国土交通省が12日、「今年春に引越をご予定の皆さまへ~予約状況のお知らせ~」というアナウンスを行った。3~4月の引越予約状況(2月22日時点)について、(公社)全日本トラック協会の協力のもと、大手引越事業者から聞き取り調査を実施し、その結果を受けたものだ。

 国交省では、引越時期の分散に向けて昨年から経済団体などを通じて利用者の方々に呼びかけを行い分散化に向けた取り組みを進めてきたが、今年も依然として3月と4月に依頼が集中している状況が分かった(【表1】)。

【表1】
【表1】

 そのうえで、「4月中旬以降は比較的余裕がある状況。ピーク時期の引越を避けるなどの協力・検討」を呼びかけている。なお、23年度の状況は【表2】の通りだ。

【表2】
【表2】

 国交省がこのような呼びかけを行った背景には、ドライバーの「時間外労働時間の上限規制」が4月から適用され、ドライバー不足の深刻化が予測される、いわゆる「2024年問題」への危機感が高まっているためだ。

 一方、全日本トラック協会は、昨年12月時点で「2024年引越混雑予想カレンダー」を公表。「混雑が予想される期間」として3月9日~4月14日、「とくに混雑が予想される期間」として3月16日~4月7日と明示し、「2月以前または5月以降の引越しの検討」を呼びかけていた。

 同協会の危機感の強さがありありとうかがえる内容だ。そこで思うのだ。国交省が3月12日の時点でアナウンスに踏み切ったのはなぜなのか。上記でわかるように、12日はすでに繁忙期に入ってしまっており今さら感が強い。

 本当に危機感があるのなら、もっと前倒しで行うべきだったろう。今回のアナウンスには「お役所仕事」のにおいがしてしかたがない。

【田中 直輝】

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