八女市議会、ハラスメント防止条例の請願は可決を見送りも、人権センター条例は可決
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福岡県八女市議会(橋本正敏議長)は、14日「あらゆるハラスメントの防止を求める条例制定を求める請願」の可決を見送り、継続審査とした。
請願は筑後地域の住民有志から提出されたもので、午前10時から、所管の服部良一総務文教委員長からの報告と議員による討論・採決が行われた。
八女市議会は、定数22名だが、議長を除いた21人のうち、請願の紹介議員を含む保守系議員の一部と、立憲民主党系の市議、共産党の6人の議員は、今議会での可決を主張して、継続審議に反対討論を行った。
継続審議に賛成した議員も「ハラスメント対策は時代の流れ」と認めつつ「請願者の思いには涙が出た」「議会内での議論が必要」と前向きな声もあれば「人権センターがあるから新たな条例はいらない」「議会基本条例に書き加えればよい」と消極的な声もあり、ある市議は、市長が一般質問で消極的な答弁をした影響だと語った。
前県議会議長の桐明和久福岡県議会議員(自民党、八女市・八女郡選出)は、データ・マックスの取材に対し「ハラスメント対策や条例は世の流れで、議長時代に県条例も制定した。議員間でも職員に対しても、パワハラなどあってはいけない」との認識を示していた。
一方で人権センター条例は可決
今回の議会には、八女市人権・同和教育啓発センター条例の制定と、それにともなう旧立花町役場にセンターの設置に関する予算1,820万4,000円が計上されていたが、同条例案は、賛成多数で可決した。
人権センターの設置は、長年、部落解放同盟が求めてきた経緯があるが、反対の意見も届いているという。これまでの人権啓発の在り方にさまざまな声があるなか、同条例案は今回、執行部からの原案のままで議会を通過した。一方で、なぜ市民や市職員にとって切実なハラスメントの条例については継続審議になったのか。同じ人権問題でありながら、その扱いに差があることには疑問が残る。
11月には八女市長選挙が行われる。現職の三田村統之市長は、79歳と高齢であるが、次期市長選挙も立候補の意向をもっているという。
いずれにせよ今回の請願が、人権問題の前進に一石を投じたことは間違いなく、請願は閉会中審査が行われる。議会における今後の動きを引き続きに注目したい。
【近藤 将勝】
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